新500円硬貨 11月1日から発行へ
偽造を防ぐために素材などを変えて、21年ぶりとなる新しい500円硬貨が11月1日から発行されることになりました。
財務省は、11月1日から新しい500円硬貨を発行すると発表しました。
新しい硬貨は、すでに製造が始まっていて、日本銀行から金融機関への支払いに11月1日以降使われるようになり、一般への流通も、その後、始まる見通しです。
大きさや基本的なデザインは、今の硬貨と似ていますが、3種類の金属を使い組み合わせる形にしたほか、これまでは等間隔に刻まれていた側面の溝は、一部だけ幅や形を変えるなど、より複雑な構造にして偽造をしにくくしています。
当初は、ことし9月ごろまでに発行される予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で、銀行のATMなどの改修作業が遅れたことを理由に、発行が延期されていました。
新しい500円硬貨は、2000年に発行されて以来、21年ぶりとなります。
今年度は2億枚の発行を予定していて、今後、流通量を増やすということです。
財務省は、新しい硬貨の発行後も、現在の500円硬貨は引き続き使えることから「現在の硬貨が使えなくなる」といった詐欺に注意を呼びかけています。(NHK)
新500円硬貨の打ち初め式 造幣局さいたま支局
偽造を防ぐために素材などを変えた、新しい500円硬貨の製造が6月21日から始まり、さいたま市にある造幣局の支局で打ち初め式が行われました。
打ち初め式に出席した麻生副総理兼財務大臣などが手元のボタンを押すと工場の機械が動き出し、硬貨の製造が始まりました。
新しい500円硬貨は、大きさや基本的なデザインは今の硬貨と同じですが、3種類の金属を使い、組み合わる形にしたほか、これまでは等間隔に刻まれていた側面の溝は一部だけ幅や形を変えるなど、より複雑な構造にして偽造をしにくくしています。
新しい500円硬貨は、ことし9月ごろまでに発行する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で銀行のATMなどの改修作業が遅れ、11月に延期されました。
打ち初め式に出席した麻生大臣は、記者団に対し「『通貨は信頼』なので偽造されない、安心感を持てることが極めて重要だ。慣れ親しんでもらえればいちばんかと思う」と話していました。
警察庁のまとめによると、500円硬貨の偽造は減少傾向にありますが、去年も全国で188枚が見つかったということです。
2000年に発行が始まった今の500円硬貨はおよそ50億枚流通していて、新しい硬貨が発行されてからも引き続き使用できます(財務省)
新500円硬貨の発行は11月発行開始を目処
財務省は4月27日、公式Twitterなどで、新しい500円硬貨の発行開始について「本年11月発行開始を目処」と発表しました。
財務省発表
【新しい五百円貨幣】
新しい五百円貨幣の発行時期については、本年11月の発行開始を目途として所要の準備を進めることとしました。 この新しい五百円貨幣には、バイカラー・クラッド(二色三層構造)技術等、新たな偽造防止技術を採用しています。(財務省)
新しい五百円貨幣の発行時期について(財務省)
新しい五百円貨幣については、平成31年4月9日に、偽造抵抗力強化の観点から素材等を変更して製造することとし、2021(令和3)年度上期を目途に発行(日本銀行から金融機関への支払い)を開始することを公表しました。
その後、本年1月に、発行時期については、当初予定していた2021(令和3)年度上期を延期し、金銭機器の改修状況等を見極めた上であらためて公表することとしました。
今般、検討の結果、本年11月の発行開始を目途として所要の準備を進めることとしました。
なお、具体的な日付については、所要の準備が整った段階で、日本銀行から公表されます。
現在流通している五百円貨幣は、新しい五百円貨幣の発行が開始された後においても、引き続き通用します。
また、当面の間は、需要に応じて、新しい五百円貨幣の発行と併せて、回収された現行の五百円貨幣の一部を再び流通させることで、市中における五百円貨幣の流通が円滑に行われるよう努めてまいります。
(財務省 令和3年4月27日)
新しい五百円貨幣の図柄等について
図柄 | ||
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素材 | ニッケル黄銅、白銅及び銅 | |
品位 | 千分中銅750、亜鉛125、ニッケル125 | |
量目 | 7.1グラム | |
直径 | 26.5ミリメートル |
新たな偽造防止技術
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素材に新規技術であるバイカラー・クラッド(二色三層構造)を導入
銅でできた円形の板を2枚の白銅の板で挟み込んだ銀色の板を中心部に、その周囲をニッケルでできた金色のリングで囲った構造
この「2色3層構造」は記念貨幣を除くと日本の硬貨では初めてで、世界でもユーロの硬貨だけ -
貨幣の縁に、新たに「異形(いけい)斜めギザ」を導入※
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貨幣の縁の内側に、新たに微細文字を加工
硬貨の縁の盛り上がった部分の内側には、新たに「500YEN」と「JAPAN」という微細な文字が2か所ずつ刻まれている
※斜めギザの一部を他のギザとは異なる形状にしたもので、通常貨幣(大量生産型貨幣)への採用は世界初。
1.素材に新規技術であるバイカラー・クラッド(二色三層構造)を導入
2.貨幣の縁に、新たに「異形(いけい)斜めギザ」を導入
3.貨幣の縁の内側に、新たに微細文字を加工
現行の500円硬貨について・注意喚起
◎現行の五百円貨幣は、新しい五百円貨幣が発行されたあとも、引き続き通用します。
◎「現行の五百円貨幣が使えなくなる」などを騙った詐欺行為(振り込め詐欺など)にご注意ください。
(出典:財務省)
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