皇室

佳子内親王殿下29歳のお誕生日・佳子さま2023年のご活動

佳子内親王殿下29歳のお誕生日・佳子さま2023年のご活動

 

佳子内親王殿下29歳のお誕生日に当たり

令和5年12月29日
宮内庁皇嗣職

佳⼦内親王殿下は、12⽉29⽇(⾦)に満29歳のお誕⽣⽇をお迎えになります。この1年間のご活動のすべてをご紹介することは叶いませんが、ご活動の⼀部をご紹介いたします。

 

1月

「聴覚障害児を育てたお⺟さんをたたえる会」にご臨席になりました。きこえない⼦ども、きこえにくい⼦どもの保護者の経験、また、⼦どもや保護者を⽀援してこられた教育者のお話を、印象深くお思いになったご様⼦でした。ご臨席に先⽴ち、「全国聾学校作⽂コンクール」の佳作以上の44作をお読みになりました。

名誉総裁をされている公益財団法⼈⽇本テニス協会の「創⽴100周年記念式典」にご臨席になりました。その際のお⾔葉では、「⽣涯スポーツ」、「観るスポーツ」、「競技スポーツ」としてのテニスの普及に貢献してきた⽇本テニス協会をはじめとする関係者の努⼒に触れられるとともに、テニスに取り組みたい、またはテニスを観戦したいと思うすべての⼈が、様々な制約を超えて、⾊々な⽅法で、隔たりなくテニスを楽しめるよう願われました。

3月

茨城県を訪問され、「偕楽園左近の桜植樹式典」にご臨席になりました。この式典は、皇室ゆかりの桜が2019(令和元)年に台⾵で倒れたため、その後継⽊を植樹するためのものでした。「好⽂亭」と「弘道館」も⾒学されました。また、「茨城県⽴⽔⼾聾学校」を訪問された際には、中学⽣、⾼校⽣による発表や、授業等で制作した作品から、学校⽣活の様⼦や今後の⽬標がよく伝わってきたとのことでした。後⽇、植樹された桜が花を咲かせた写真をご覧になった際には、嬉しくお思いのご様⼦でした。

5月

「森と花の祭典―『みどりの感謝祭』式典」に名誉総裁としてご臨席になりました。森林ボランティアや、街中を花や⽊で彩る活動などに取り組んできた受賞者にお会いになり、それぞれの活動の中で⼯夫してきたことなどのお話をお聞きになりました。

宮城県を訪問されました。まず、「⽯巻南浜津波復興祈念公園」でご供花をなさり、震災で亡くなられた⽅々に深い哀悼の意を表されました。続いて、「みやぎ東⽇本⼤震災津波伝承館」、「⽯巻市震災遺構⾨脇⼩学校」で展⽰や遺構をご覧になり、お話に⽿を傾けられました。亡くなられた⽅々、被災された⽅々に思いを致されているご様⼦でした。また、被害の⼤きさと、震災について語り継ぐことの⼤切さを改めてお感じになったと伺いました。その後、仙台市で開催された「全国都市緑化祭」にご臨席になり、⾊とりどりの庭園がとても美しかったと伺いました。緑化フェア期間に合わせて特別展が開催された「宮城県美術館」も⾒学されました。

6月

「誰もが読書できる社会を⽬指す」ことについて、⽂部科学省と厚⽣労働省から説明を受けられました。例えば、⽬が⾒えない、⾒えにくい、⽂字や⽂章の認識が困難、本を持てない、本のページをめくれない、⽬で⽂字を追えないなどの状況にある⼈が、本や⽣活情報を読めるようにするための取組についてお聞きになりました。情報を、点字や⾳声、読みやすい⽂字の⼤きさや⽂章にするなどの取組が、ボランティアの⽀援も受けながら⾏われています。このような取組を、たいへん意義深く思われたと伺っております。

「『産経児童出版⽂化賞』贈賞式」にご臨席になりました。お⾔葉では、式典に先⽴って読まれた各受賞作について述べられました。その後、障害、家庭や経済の状況、図書館へ⾏くことの難しさなどにより、本を買ったり借りたりすることや、本を読むことに困難を感じている⼈が、読書を楽しみやすくなる環境を整備するための取組が⾏われていることをお話されました。そして、このような取組が実を結び、多様な本がより多くの⼈たちの⼿に届くこと、誰もが様々な⽅法で隔たりなく読書をできる社会になることを願われました。贈賞式に続いて、作者や翻訳者、編集者にお会いになり、作品に込めた思いや制作過程などについてお聞きになりました。

7月

「東京都障害者ダンス⼤会ドレミファダンスコンサート」にご臨席になり、カラフルな⾵船で飾られた会場で、リズムにのったり、タオルを振ったりされながら、様々な種類のダンスや演奏を、参加者と⼀緒に楽しまれているご様⼦でした。障害の有無や年齢などに関わらず、会場にいる⼈々が⼀緒になってダンスを楽しめることの⼤切さもお感じになったと伺いました。

静岡県で開催された「全⽇本⾼等学校⾺術競技⼤会」にご臨席になりました。競技を観戦された際には、全国から選ばれた選⼿が⼒を発揮できるよう応援されました。また、「静岡県医療健康産業研究開発センター(ファルマバレーセンター)」を⾒学され、患者と医療従事者のために、より安全に使⽤できる医療機器を作り続けてきた努⼒などのお話に、熱⼼に⽿を傾けられました。同センターでは、がんの緩和ケアの認定看護師を養成する研修や、体を動かしづらい⼈も使いやすい住まいのモデルルーム等もご覧になり、様々な健康状態にある⼈々がそれぞれの状況に応じて暮らせるよう努⼒が重ねられていることを、⼼強く思われたと伺いました。

8月

兵庫県の甲⼦園球場で開催された「全国⾼等学校⼥⼦硬式野球選⼿権⼤会」の決勝戦を観戦されました。スピード感あふれる試合展開に引き込まれ、応援の盛り上がりも楽しまれているご様⼦でした。

「全国⾼校⽣の⼿話によるスピーチコンテスト」にご臨席になり、⼿話でお⾔葉を述べられ、出場者等と懇談されました。それぞれのスピーチから出場者の思いが伝わってきて、⼼を動かされたとお話しになっていました。

9月

総裁をされている公益社団法⼈⽇本⼯芸会等が主催する「⽇本伝統⼯芸展」の展⽰をご覧になった後、授賞式にご臨席になりました。また後⽇、同展覧会に、天皇皇后両陛下と敬宮愛⼦内親王殿下がお出ましになった際には、⽇本⼯芸会の関係者とともに会場をご案内になり、素晴らしい作品を両陛下と内親王殿下にご覧いただくことができて、嬉しそうなご様⼦でした。これに先⽴ち、1⽉から6⽉にかけて、伝統⼯芸の7つの部会それぞれの展覧会をご覧になりました。各展覧会を通して、様々な地域で伝統的な技を活かしながら新しい作品を⽣み出す、作家⼀⼈ひとりの創意をお感じになったと伺っております。

⿃取県を訪問されました。「いなば⻄郷⼯芸の郷」を⾒学された際には、⽇本⼯芸会でご縁のある作家を含め、様々な分野の作家が、互いに刺激を受けながら作品を⽣み出し、地域の⼦どもたちが伝統⼯芸に触れる機会も提供していることを、喜ばしくお思いになったと伺っております。また、「全国⾼校⽣⼿話パフォーマンス甲⼦園」の交流会にご臨席になり、⾼校⽣や関係者と和やかにお話をされました。その後、COVID-19への罹患が確認されたため、以降の⽇程はすべて取りやめになり、そのことをとても残念に、また申し訳なく思っていらっしゃるご様⼦でした。ご臨席の予定であった「全国⾼校⽣⼿話パフォーマンス甲⼦園」のためのお⾔葉は、式典の会場で、⼿話、⽂字、⾳声で紹介されました。各パフォーマンスや、ご⾒学予定であった、⾳のない世界で、⾔葉の壁を超えた対話を楽しむ「ダイアログ・イン・サイレンス」の様⼦は、後⽇、写真や映像でご覧になりました。

宮城県の東北⼤学で開催された「⼥⼦⼤⽣誕⽣110周年・⽂系⼥⼦⼤⽣誕⽣100周年記念式典」にご臨席になった後、110年前の⼥⼦⼤⽣の歩みを振り返る展⽰をご覧になり、科学の魅⼒を伝える同⼤学の「サイエンス・アンバサダー」と懇談されました。お⾔葉では、様々な偏⾒が作り出す社会の雰囲気や圧⼒が数多く存在し、これらが、社会が個⼈の可能性や選択肢を制限したり、個⼈が⾃分⾃⾝の可能性や選択肢を制限したりすることにもつながると感じる旨を述べられました。そして、東北⼤学の「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」の取組に触れつつ、同質な集団で、同じような考え⽅ばかりを共有するのではなく、いろいろな⼈が⼒を発揮し、意⾒を交換できる環境では、新しい視点や価値観を歓迎し、あたりまえと感じていたことに疑問を持って、これまでになかったものを⾒出し、つくり出すことができると思うとお話になりました。

10月

「ガールズメッセ2023」にご臨席になりました。式典に先⽴ち、ロボット作りとインターネットの安全性についてのワークショップをご覧になりました。式典のお⾔葉では、社会の中で、⼤⼈から⼦どもへ、無意識なものも含め、偏った思い込みが伝わっていることが多々あると感じること、そのようなことがないようご⾃⾝も気をつけようと思われていることにも触れられました。そして、ジェンダー平等が達成されること、次世代を担う子どもたちが⾃分の思い描いた未来に向かっていける社会になることを願う旨を述べられました。また、受賞者が、世の中の問題に当事者としての意識を持ち、積極的に⾏動していることを、印象的に思われたと伺いました。

この⽉は、⿅児島県を2度訪問されました。最初の「特別国⺠体育⼤会」では総合閉会式にご臨席になるとともに陸上競技をご覧になり、2度⽬の「特別全国障害者スポーツ⼤会」ではソフトボール競技とボッチャ競技をご覧になりました。⿅児島県での「国⺠体育⼤会」と「全国障害者スポーツ⼤会」は、当初は2020(令和2)年に開催予定でしたが、COVID-19の影響により開催できず、本年、「特別国⺠体育⼤会」、「特別全国障害者スポーツ⼤会」として開催されました。準備や練習に努⼒を重ねてきた主催者、選⼿、ボランティア等、関係者のことをお考えになり、今回無事に開催できたことを嬉しくお思いになったと伺いました。ご訪問の折には、「⾼⼭流鏑⾺」や、桜島もご覧になりました。また、「⿅児島県⽴⿅児島南特別⽀援学校」を訪問された際には、喫茶実習や陶器制作の実習に熱⼼に取り組む⽣徒の姿が⼼に残ったと伺っております。

11月

⽇本とペルー共和国の外交関係樹⽴150周年にあたり、同国を訪問されました。ご訪問に先⽴ち、様々な書籍や説明等により、ペルーに関する理解を深められたと伺っております。例えば9⽉には、「JICA横浜海外移住資料館」で展⽰をご覧になるとともに、ペルーの⽇系⼈やJICAの活動などについて説明を受けられました。10⽉には、ペルーの研究者、外務省の南⽶課、前任の駐ペルー⽇本国⼤使夫妻、マチュピチュ村の友好都市である福島県⼤⽟村の村⻑から説明を受けられました。また、⼤阪府にある「国⽴⺠族学博物館」を⾒学されるとともにご説明を受けられ、ペルーの⽂化について学ばれました。更に、駐⽇ペルー⼤使主催の昼⾷会でペルーについてお話をお聞きになり、ペルー⽇系⼈協会会⻑の「ペルーにおける⽇系⼈社会の歴史」についての講演を聴講されました。ペルーご訪問中は、各地であたたかくお迎えいただいたこと、お会いになった⽅々と交流を深められたことに、たいへん感謝していらっしゃると伺っております。ご帰国後、「佳⼦内親王殿下のご印象(ペルーご訪問を終えて)」(ご印象の文書はこちらをクリックしてください。) をお書きになりました。ペルーでの体験が次々に⼼に浮かび、そのどれもが⼤切な思い出で、内容を絞り込むことを難しくお感じになったとのことでした。

「少年の主張全国⼤会」にご臨席になり、その後、出場した中学⽣と懇談されました。それぞれの発表者の経験や思い、社会に伝えたいことを、しっかりと受け⽌めていらっしゃるご様⼦でした。

12月

みどり豊かなまちづくりの取組を進める催しである「みどりの『わ』交流のつどい−都市の緑三賞表彰式−」にご臨席になり、その後、受賞者と交流されました。受賞した取組には、幅広い⼈々が参加でき、楽しめる⼯夫、みどりに関する新しい技術などが取り⼊れられていました。みどりを通じて⼈と⼈とがつながり、都市の緑化や⼈々の交流の輪が広がっていくことをお感じになったそうです。

岡⼭放送株式会社の関係者から、同社がろう者とともに30年にわたり作り続けてきた⼿話放送の取組について、説明を受けられました。「情報から誰⼀⼈取り残されない」ことを⽬指して、誰もが情報を得たり、楽しんだりできるよう、⼯夫を重ねながら独⾃の取組を続けていることを、熱⼼にお聞きになりました。

 

まとめ

以上、ご活動の⼀部をご紹介しましたが、このほかにも、展覧会、競技会、フェスティバルにいらっしゃったこと、秋篠宮邸で海外から来られた⽅々とお会いになったことなどがありました。それぞれの催しやお会いになった⽅々のことを、折に触れて思い出していらっしゃると伺っております。

佳⼦内親王殿下は、この1年間も、1つ1つのご活動に⼼を込めて取り組まれました。ご活動を通して、関係者それぞれの思いを感じられるとともに、これまでの努⼒に敬意を持っておられることを伺っております。また、催しの準備に当たられた⽅々、お会いになった⽅々、お迎えくださった⽅々、様々な形で⽀えてくださった⽅々や⼼を寄せてくださった⽅々へ、感謝の気持ちを持ち続けていらっしゃいます。

佳⼦内親王殿下は、これまでと同様に、誰もが安⼼して暮らせる社会になることを、誰もがより幅広い選択肢を持てる社会になることを、そしてこれらがあたりまえの社会になることを願ってこられ、ご活動の際にも、この思いを胸に、取り組まれています。

 

お写真

本年のお誕⽣⽇にむけた撮影では、お振袖をお召しになりました。お振袖は、浅葱⾊(⻘系統の伝統⾊)とクリーム⾊のぼかし染めに、流⽔や松、菊などの⽂様が描かれています。帯は⾦地の七宝華紋柄(円が連なった⽂様と花の⽂様の組合せ)で、帯締めと帯揚げは茜⾊(⾚系統の伝統色)です。撮影は、12⽉初旬に⾚坂御⽤地内で⾏われました。気温は低かったものの、とてもよいお天気で、広がる⻘空を背景に、⽊々が⻩⾊や⾚⾊に⾊づき始めていました。

お写真とお写真の説明

佳子内親王殿下29歳のお誕生日・佳子さま2023年のご活動

写真1:⾚いもみじの枝の横で、こちらを向かれたお姿

佳子内親王殿下29歳のお誕生日・佳子さま2023年のご活動

写真2:⾚いもみじの枝の横で、遠くをご覧になる肩から上のお姿

佳子内親王殿下29歳のお誕生日・佳子さま2023年のご活動

写真3:⾚いもみじの枝を⾒上げられる、肩から上のお姿

佳子内親王殿下29歳のお誕生日・佳子さま2023年のご活動

写真4:⾊づき始めたもみじの向こうで、橋をお渡りになるお姿

佳子内親王殿下29歳のお誕生日・佳子さま2023年のご活動

写真5:橋のたもとで横を向いてお⽴ちになる全⾝のお姿

佳子内親王殿下29歳のお誕生日・佳子さま2023年のご活動

写真6:⾊づき始めたもみじを背景にして橋の上にお⽴ちになるところと、それが映る池の⽔⾯を、遠くから⾒た⾵景

佳子内親王殿下29歳のお誕生日・佳子さま2023年のご活動

写真7:枯⼭⽔の踏み⽯をお渡りになるお姿を、遠くから⾒た⾵景

佳子内親王殿下29歳のお誕生日・佳子さま2023年のご活動

写真8:⻩⾊に⾊づいたイチョウの⽊と落ち葉の⼿前で、こちらを向かれたお姿

佳子内親王殿下29歳のお誕生日に当たり 宮内庁

 

報道動画

佳子さま 29歳の誕生日を迎え…天皇ご一家にあいさつ(2023年12月29日)

佳子さま 29歳の誕生日を迎え…天皇ご一家にあいさつ(2023年12月29日)

 

佳子さま“見返り”29歳の誕生日映像

佳子さま“見返り”29歳の誕生日映像…ほほ笑まれた理由と新提供の写真説明文は動画説明欄に【皇室ちょっといい話】(130)(2023年12月29日)

 

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