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NHK 犬神家の一族 キャスト・登場人物

NHK犬神家の一族

NHK

 

NHK 犬神家の一族 2023

NHK 犬神家の一族

犬神財閥の創始者、犬神佐兵衛が亡くなった。佐兵衛のばく大な遺産をめぐって起こる謎の連続殺人。名探偵・金田一耕助の推理が始まる。

映画テイストあふれる映像で話題を呼んできたNHK版「金田一シリーズ」。

「獄門島」(2016)・「悪魔が来りて笛を吹く」(2018)・「八つ墓村」(2019)に続き、満を持して「犬神家の一族」を、前後編各90分の大ボリュームでドラマ化。

脚本は、ドラマ「岸辺露伴は動かない」、アニメ「進撃の巨人」などで知られる小林靖子。

監督は、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を撮り終えたばかりの吉田照幸が手がける。

NHK 犬神家の一族

 

放送日時

■第1夜
2023年4月22日(土)21時00分

■第2夜
2023年4月29日(土)21時00分

 

放送チャンネル

■NHK
BSプレミアム・BS4K

 

演出

■吉田照幸
「獄門島」、「八つ墓村」、「エール」、「鎌倉殿の13人」ほか

 

脚本

■小林靖子
「岸辺露伴は動かない」、仮面ライダーシリーズ、アニメ「進撃の巨人」他

 

 

 

出演・キャスト

登場人物 キャスト 映画市川崑版配役
金田一耕助 吉岡秀隆 石坂浩二
犬神松子 大竹しのぶ 高峰三枝子
野々宮珠世 古川琴音 島田陽子
犬神佐清 金子大地 あおい輝彦
犬神竹子 南果歩 三條美紀
犬神梅子 堀内敬子 草笛光子
猿蔵 芹澤興人 寺田稔
大山泰輔 野間口徹 大滝秀治
古館恭三 皆川猿時 小沢栄太郎
磯川 小市慢太郎 若山富三郎
せつ子 倍賞美津子
加代 久間田琳加
犬神佐智 渋谷謙人 川口恒
犬神小夜子 菅野莉央 川口晶
※役名不明 永沼伊久也 川島潤哉 大津尋葵 今井悠貴 遠山俊也 坂田聡 田根楽子 栗田芳宏

※せつ子:金田一耕助の住む下宿の女将

NHK犬神家の一族

 

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NHK犬神家の一族

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犬神家の一族

『犬神家の一族』(いぬがみけのいちぞく)は、横溝正史の長編推理小説。「金田一耕助シリーズ」の一作。

横溝作品としては『八つ墓村』に並んで映像化回数が多い作品で、映画が3本、テレビドラマが7作品公開されており、特に市川崑監督による1976年公開の映画版は、メディアによって「日本映画の金字塔」と称される。

 

あらすじ

昭和20年代のとある年の2月、那須湖畔の本宅で信州財界の大物・犬神佐兵衛(いぬがみさへえ)が裸一貫の身から興した製糸業で築いた莫大な財産を残し、家族に見守られながら他界した。その遺産の配当や事業相続者を記した遺言状は、一族全員が揃った場で発表されることになっており、長女松子の一人息子佐清(すけきよ)の戦地からの復員を待つところとなっていた。佐兵衛は生涯に渡って正妻を持たず、それぞれ母親の違う娘が3人、皆婿養子をとり、さらにそれぞれに息子が1人ずついたが、お互いが反目し合っていた。

同年10月、金田一耕助は東京から単身で犬神家の本宅のある那須湖畔を訪れた。犬神家の顧問弁護士を務める古館恭三の法律事務所に勤務する若林豊一郎から、「近頃、犬神家に容易ならざる事態が起こりそうなので調査して欲しい」との手紙を受け取ったためであった。那須ホテルを宿泊拠点とした金田一は、湖畔から犬神家の豪邸を望んでいたところ、犬神家に寄寓している野々宮珠世の乗っているボートが沈みかかっているのを目撃し、犬神家の下男の猿蔵とともに珠世を救出する。ボートには穴が開けられており、猿蔵の語るところによると、珠世が何者かに狙われたのはこれで3度目だという。その後、金田一がホテルに戻ったところ、若林が何者かによって毒殺されていた。知らせを聞いて駆けつけた古館の語るところによると、どうやら若林は犬神家の誰かに買収されて、法律事務所の金庫に保管している佐兵衛の遺言状を盗み見てしまったらしい。先行きに不安を感じる古館の依頼で、金田一は犬神家の遺産相続に立ち会うこととなった。

そんな中、ビルマの戦いで顔に大怪我を負いゴムマスクを被った姿で佐清が復員した。佐兵衛の遺言状は古館弁護士によって耕助の立ち会いのもと公開されることになるが、その内容は

「全相続権を示す犬神家の家宝“斧(よき)・琴(こと)・菊(きく)”の三つを、野々宮珠世(佐兵衛の終世の恩人たる野々宮大弐の唯一の血縁、大弐の孫娘)が佐清、佐武、佐智の佐兵衛の3人の孫息子の中から配偶者を選ぶことを条件に、珠世に与えるものとする」

というものであった。さらに、珠世が相続権を失うか死んだ場合、犬神家の財産は5等分され3人の孫息子は各5分の1ずつを相続し、残り5分の2を佐兵衛の愛人・青沼菊乃の息子の青沼静馬が相続することを聞き及んで、3姉妹の憎悪と怒りは頂点に達する。

こうして3姉妹の仲はいよいよ険悪となり、珠世の愛を勝ち得んとしての争いが始まる一方、佐清は偽者の嫌疑をかけられ、手形(指紋)確認を迫られるが、松子がこれを拒否する。

そんな中、佐武が生首を「菊」人形として飾られて惨殺されると、一転して佐清が手形確認に応じ、佐清本人であることが確認される。同じころ、下那須の旅館に顔を隠した復員服の男が宿泊し、べっとりと血の付いた手ぬぐいを残して立ち去っていた。そして、佐武の通夜の後、珠世の寝室から復員服の男が現れ猿蔵ともみ合った後、逃走する。

その後、佐智が珠世を襲おうとして失敗した後、何者かに首を絞められて殺される。そして、その首に「琴」糸が巻き付けられていたことを聞いた松子、梅子、竹子の3姉妹は、家宝の斧・琴・菊と、佐兵衛の愛人・青沼菊乃とその息子の静馬にまつわる秘密を明かす。30年前、佐兵衛が菊乃に入れ込んだ挙句、犬神家の家宝の斧・琴・菊を渡してしまい、さらに菊乃が男児を出産したことを知った3姉妹は菊乃を襲撃した。3姉妹は彼女を激しく折檻した挙句、赤ん坊の尻に焼け火箸をあてがい、遂に観念して斧・琴・菊を差し出す菊乃に対し、さらに赤ん坊は佐兵衛の子どもではなく情夫の子どもであると無理やり一札書かせた。しかし、菊乃は「いつかこの仕返しをせずにはおかぬ。いまにその斧、琴、菊がおまえたちの身にむくいるのじゃ。」と言い放ったのだという。

 

事件の発生年

本作は、一個人の遺言状が惨劇を引き起こす物語となっているが、1947年(昭和22年)に施行された日本国憲法の下で改正された民法の遺留分制度により、遺言状の効力には法的限界があるため、事件発生年が問題とされることがある。原作では事件の起きた年を「昭和2×年」とぼかしているが、下に示すように登場人物の年齢が1949年(昭和24年)を基準に設定されていることから、この年が事件発生年であると推定できる。

野々宮珠世は1924年(大正13年)生まれで事件当時は26歳。
犬神佐清は奉納手形に「昭和18年 23歳、酉年の男」と書き記しており、事件当時は29歳。
犬神佐兵衛は17歳のときに野々宮大弐に保護され、事件が起きる半年前の2月に81歳で死去している。これだけでは年代を特定できないが、出会ったときに42歳であった野々宮大弐が1911年(明治44年)に68歳で死去しているので、佐兵衛と大弐の邂逅は1885年(明治18年)だったことがわかる。つまり、佐兵衛が81歳で死亡したのは1949年(昭和24年)となる。
注:登場人物の年齢は数え年である。

映像化作品では、1976年版が1947年(昭和22年)とし、1977年版、1994年版、2004年版、2006年版がこの設定を踏襲している。1990年版は1949年(昭和24年)の設定であり、2018年版と2020年版は年を明記していない。なお、1970年版は時代設定を変更している。

 

登場人物

金田一耕助(きんだいち こうすけ)
私立探偵

 

犬神家

犬神 佐兵衛(いぬがみ さへえ)
犬神財閥の創始者。信州財界の巨頭であり、製糸業などで巨万の富を築いたことから「日本の生糸王」と呼ばれた。享年81。
元は放浪の孤児であり、信州那須神社神官野々宮大弐に、17歳の頃拾われ養育された。若い頃は玉のような美少年だった。
生涯正妻を娶らず、娘の松子、竹子、梅子はそれぞれ違う女との間に生ませた子である。

犬神松子の家族
犬神 松子(いぬがみ まつこ)
佐兵衛の長女。先年、夫とは既に死別している。52 – 53歳ほど。
いつも凛とした佇まいをしていて勝気。細いながらも竹のように強靭な体格。1人息子の佐清を溺愛している。

犬神 佐清(いぬがみ すけきよ)
松子の1人息子。29歳。優しく律儀な性格で懐中時計の修理ができるほど器用。
元は美青年だったがビルマの戦いで顔に怪我を負って復員してきたため、松子が東京で作らせたゴム製のマスクを被り、犬神家へ戻ってきた。
実はマスクを被った佐清は青沼静馬が成り代わった偽者で、本物の佐清は復員した後静馬が自分になりすまして家に戻ったことを知り、離れた場所から様子を窺っていた。
静馬の顔に火傷があることが分かり、また、祖父の佐兵衛から青沼親子の悲惨な過去を聞いて同情しており、なるべく事を荒立てずに静馬と入れ替わり、彼にも出来るだけの財産を分与したいと考えていたが、事件の渦に巻き込まれ叶わなくなる。

 

犬神竹子の家族

犬神 竹子(いぬがみ たけこ)
佐兵衛の次女。小太りで小山のような体型。直情的な性格である。
3姉妹はそれぞれ仲が悪いが、仮面の佐清を松子がでっちあげたという疑いを共有したため、妹の梅子と結託する。

犬神 寅之助(いぬがみ とらのすけ)
竹子の夫。赤ら顔の大男。犬神製糸東京支店長。

犬神 佐武(いぬがみ すけたけ)
竹子の息子。28歳。両親似で衝立のような体形。性格も傲岸不遜で態度が大きい。
佐清の手形合わせの話で呼び出された珠世に強引に関係を迫るが、猿蔵に妨害されて未遂に終わる。

犬神 小夜子(いぬがみ さよこ)
竹子の娘。22歳。珠世ほどではないが美人。多少気が強いものの大人しい性格。
従兄の佐智とは結婚前提の恋人同士で梅子夫婦公認の仲。佐智の子を妊娠しており、珠世には佐智を結婚相手に選ばないように牽制している。事件後、佐智が殺害されたショックで精神の平衡を崩してしまう。

 

犬神梅子の家族

犬神 梅子(いぬがみ うめこ)
佐兵衛の三女。3姉妹の中では一番美人だが、一番底意地が悪い。
1人息子佐智に当初は佐兵衛翁から相続できる遺産を増やすため、小夜子に取り入って結婚するように指示していたが、遺言状公開後、小夜子に遺産の取り分がないと分かると息子に小夜子から珠世に乗り換えて結婚するように指示する。

犬神 幸吉(いぬがみ こうきち)
梅子の夫。小柄で色が白く、一見柔和そうな顔つきだが、よく動く黒目から腹黒さがうかがえる。犬神製糸神戸支店長。

犬神 佐智(いぬがみ すけとも)
梅子の息子。27歳。ほっそりして華奢な体格。一見落ち着きがなく臆病そうだが狡猾。祖父からの遺産増額が目当てで従妹の小夜子と結婚を前提に交際している。
梅子から遺産相続のため、結婚相手を小夜子から珠世に乗り換えるよう指示されて以降、珠世に媚態の限りを尽くす。既成事実を作り自分と結婚する以外の選択肢を封じるため、珠世を薬で眠らせて手篭めにしようとしたが、現場に潜伏していた「影の人」を名乗る顔を隠した復員風の男から妨害され、またその男から電話を受けた猿蔵が珠世を救出に来て失敗に終わる。

 

野々宮家

野々宮 珠世(ののみや たまよ)
犬神佐兵衛の恩人・野々宮大弐の孫。26歳。絶世の美女で頭がよく勘も鋭いが、長い孤独な境遇のため他人に本心を明かさぬところがある。
20歳前に両親を相次いで亡くし、大弐を終生の恩人と慕う佐兵衛によって犬神家に引き取られた。何者かが仕掛けた罠に3度も掛かるが、危機一髪で助かった。佐兵衛の遺言で、犬神家の遺産相続の鍵を握ることとなった。

野々宮 大弐(ののみや だいに)
那須神社の神官。珠世の祖父。故人。犬神佐兵衛の恩人。
42歳の頃、佐兵衛少年を拾う。美少年だった佐兵衛との間には衆道の契り(男色関係)があったと地元では噂されている。

野々宮 晴世(ののみや はるよ)
大弐の妻。珠世の祖母。故人。夫より20歳も若く、大弐が佐兵衛を救った時は22歳で、大弐が男色家であったため処女妻であった。心優しく、神々しいばかりの美女であった。
夫が佐兵衛ばかりを寵愛したため一時実家に帰っていたことがあり、佐兵衛が野々宮家を出て以後、野々宮家に戻り祝子を産む。

野々宮 祝子(ののみや のりこ)
野々宮夫妻の娘で、珠世の実母。故人。

猿蔵(さるぞう)
珠世の世話役の下男。
もとはみなしごだったため、子供の頃から祝子によって珠世と共に育てられ、珠世が犬神家に引き取られると、下男として犬神家に入った。珠世に非常に忠実で、生前の佐兵衛から“命に代えても珠世を守れ”と命じられているため、珠世の身辺の世話だけでなく護衛も務め、作中でたびたび珠世を助ける。
「猿蔵」というのは猿に似ていることから付けられた通称で、本名は作中では明らかにされていない。
粗野かつ無口で少し思慮が足りないが、力が強く、佐武や佐智も持て余している。

 

青沼家

青沼 菊乃(あおぬま きくの)
佐兵衛が50歳を越したときに持った愛人。女工だったが、18 – 19歳の頃に囲われる。年齢は松子より若い。実は野々宮晴世のいとこの娘にあたることが遺言公表後の追加調査で明らかになった。
佐兵衛から相続権を示す家宝を与えられていたが、それを知った松子たちに暴力を振るわれ、力づくで取り戻されてしまう。その後、富山の遠い親戚に当たる津田家を頼り、静馬を預けたところまでは古館弁護士ら関係者が把握していたが、その後の消息は不明だった。

青沼 静馬(あおぬま しずま)
菊乃と佐兵衛の息子。富山にある母の遠縁の津田家に養子に出されており、戸籍名は津田静馬。年齢は甥・佐清と同じ29歳。
津田家から中学に通い、卒業後就職。21歳で徴兵され、その後数度の除隊と応召を繰り返す。その後の消息は不明だった。ビルマの別の部隊にいた自分とよく似ているという佐清の存在を知り、対面すると意気投合し友人となる。
後、戦場で佐清の部隊が全滅したことを知ると、佐清が死んだと思い、また自身も顔に深い火傷を負ってしまう。
母を襲撃した自身の異母姉であり佐清の母、松子のことは根深く恨んでおり、顔の怪我を利用して佐清になりすまし犬神家の財産を手に入れることで復讐しようと画策する。
元々は穏やかな性格であったが、戦場であらゆる状況に対する判断能力や知恵を身につけており、松子の殺人を復讐に利用するよう見立て、またマスクを利用して佐清と巧みに入れ替わり奉納手形の照合を切り抜ける等、機転が利く。
自身の姪にあたる珠世との結婚を拒み、守るべき一線は守り、また香琴が母・菊乃であることに気付いており、思い遣りを見せる等母思いな面を持つ。

 

他関係者

古館 恭三(ふるだて きょうぞう)
弁護士。古館法律事務所所長。犬神家の顧問弁護士。
佐兵衛より、遺言状の管理を任されていた。殺された若林豊一郎に代わり、金田一耕助に調査を依頼する。やがて金田一耕助に親愛の情を抱くようになる。

若林 豊一郎(わかばやし とよいちろう)
古館法律事務所に勤務。
犬神家の遺産相続問題に関して金田一に捜査依頼をするが、金田一と会う前に毒殺された。

大山 泰輔(おおやま たいすけ)
那須神社の現在の神主[注釈 6]。
神社の宝蔵から野々宮大弐と犬神佐兵衛が残した封印文書群が入った唐櫃を発見し、秘められていた事実を明らかにする。

宮川 香琴(みやがわ こうきん)
松子の琴の師匠。目が怪我で不整形になっていてかつ不自由。
実は行方不明になっていた青沼菊乃。同じく琴の師匠をしていた宮川松風と親しくなって正妻の死後に事実上の妻となり、戸籍を動かすことで消息が知れるのを恐れて入籍はしなかったが、周囲は正式の妻と思っていたため宮川姓を名乗るようになった。事件の2年ほど前まで那須付近を回っていた師匠が中風で倒れて代稽古を務めることになってしまったが、名前が違ううえ風貌も変わっていたので松子には気付かれなかった。

橘(たちばな)
那須警察署の署長。

藤崎
那須警察署の鑑識課員。
ゴムマスクを被った佐清の手形を那須神社に奉納されていたものと照合した。

楠田
那須病院の院長。
警察嘱託医として、殺人被害者の検死と解剖を担当した。

志摩 久平
下那須の宿屋「柏屋」の主人。
顔を隠した不審な復員兵が宿泊していたことを警察に届け出た。

 

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