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中国武漢 新型のコロナウイルス肺炎が発生|日本初確認は2020年1月16日

中国武漢

 

中国武漢で新型のコロナウイルス肺炎が発生

2019年12月8日、中国の武漢市で原因不明の肺炎患者が最初に報告された。このときはただちに公表されなかった。

(※アリゾナ大学の研究者は2021年11月、科学雑誌「サイエンス」の電子版で、実際に発症したのは、その8日後だった可能性を指摘。一方で、当初、感染源とみられていた海鮮市場で働いていた女性が、12月11日に発症していたとして、初めての症例としては、この女性のほうが早かったのではないかという。2021年12月現在、ウイルスの発生源をめぐっては、WHOがコウモリから哺乳類の「センザンコウ」などを介してウイルスが広がった可能性があるとする一方、発生源の特定には至っていないとする調査結果)

12月30日、同国の保健機関が作成した内部報告の公文書「原因不明の肺炎の治療の改善に関する緊急通知」がインターネット上に出回り、翌31日、湖北省武漢市疾病予防センターは、武漢市で原因不明の肺炎が発生していること、患者が華南海鮮卸売市場の出店者であることを認めた。また、国家衛生健康委員会も既に専門家を現地に派遣したとされた。

12月31日午後、武漢市衛生健康委員会は合計27件の症例があり、そのうち7人が重症で、2人がまもなく退院すると報告した。

この時点でカナダの健康モニタリング企業BlueDotがAIを用いた解析でアウトブレイクの可能性を警告している。

同日(12月31日) WHO・世界保健機関への最初の報告が行われた。

2020年1月1日、江漢区市場監督局と衛生健康局は局地的流行の中心地とされる華南海鮮卸売市場を閉鎖。

1月3日、武漢市の警察当局はSNSで肺炎に関するデマを拡げたとして、医師ら8人を訓戒処分とした。

1月5日の武漢市衛生健康委員会の発表によると、午前8時の時点で原因不明の肺炎の患者は合計59人で、そのうち7人が重症であり、他の患者の容態は安定しているとした。すべての患者は武漢市内の医療機関で隔離治療を受けており、死亡者はいなかった。

発症例のうち、最も早いものの発症時期は2019年12月12日、最近のもので12月29日であった。疫学調査によると、一部の患者は華南海鮮卸売市場の入居者で、ヒトからヒトへの感染の形跡は確認されず、医療スタッフの感染も発生していなかった。またインフルエンザ、鳥インフルエンザ、アデノウイルス感染症、重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)などのウイルスはいずれも検出されなかった。

1月7日、原因不明の肺炎は新種(新型)のコロナウイルスにより引き起こされたことが判明した。

1月9日夜、61歳の男性患者が死亡した。初の死者。

1月11日、武漢市衛生健康委員会は、肺炎の患者計41人のうち、1人が死亡、7人が重症で、2人が既に退院したと発表。

1月15日0時過ぎ、69歳の男性患者が死亡した。2人目の死亡者。

武漢市衛生健康委員会の発表によると、1月18日に1人、19日に1人、20日に2人、21日に3人の患者が死亡した。22日以降に死亡者数が急増した。

1月21日の湖北省衛生健康委員会の発表によると、武漢市近郊の黄岡市でも12人の感染者が確認された。

また、1月22日に荊州市でも6人の感染が確認された。

1月25日、武漢市で感染者と思われる62歳の医師が肺炎により死亡、地元の保健当局は、死亡した医師はすでに退職していると発表。

感染の拡大により、武漢市側は1月23日午前10時より人の出入りを制限し始め、武漢市内の空港、鉄道駅、フェリー、バスおよび武漢地下鉄は営業停止となり、閉鎖された。

 

中国で謎の肺炎拡大、患者44人に SARS懸念する声も

中国で謎の肺炎拡大、患者44人に SARS懸念する声も 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
中国で謎の肺炎拡大、患者44人に SARS懸念する声も 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

【1月3日 AFP】中国当局は3日、原因不明のウイルス性肺炎の発症例を確認したと発表した。

www.afpbb.com

 

死者18人 武漢市は事実上の封鎖

中国で感染が拡大する新型のコロナウイルスによるとみられる肺炎の患者は湖北省の武漢を中心にほぼ全土に広がっていて、死亡した人の数は18人となりました。中国は1月24日から旧正月「春節」の大型連休に入り、人の移動が急増するなか、中国全土で感染の拡大を防ごうと厳重な警戒が続いています。

中国の保健当局によりますと新型のコロナウイルスの感染が確認された肺炎の患者は最も深刻な湖北省の武漢を中心に、中国のほぼ全土にわたる25の省や市などで合わせて571人に上っています。

また北京に隣接する河北省の保健当局は省内に住む80歳の男性1人が死亡したことを明らかにし、すでに発表されている湖北省の17人と合わせると死亡した人の数は18人となりました。

武漢では23日から現地を離れる航空便や鉄道の運行が停止されたほか、市内のバスや地下鉄などの公共交通機関が運休になり、街が事実上、封鎖された状態となっています。

さらに湖北省では武漢以外にも複数の市で、バスや鉄道などの運行を停止する措置を取り対策を強化しています。

中国では旧正月の「春節」を25日に控えて24日から一週間の連休に入り、多くの人が帰省などで移動するため、各地の駅や空港では乗客の体温検査を徹底するなど厳重な警戒が続いています。

また多くの人が集まるイベントなどをとりやめる動きも相次いでいて、北京では代表的な観光地の「故宮」を当面、閉館にしたり、春節に合わせて行われる恒例の縁日も中止になっています。

しかし春節で人の移動が急増する中、感染の拡大をどこまで抑え込むことができるかは不透明な情勢です(2020/01/24 0245)

 

 

日本国内で初の感染者を確認

中国・武漢市で新型コロナウイルスに関連した肺炎の発症が相次いでいる中、厚生労働省は1月16日、神奈川県在住の30代男性から同ウイルスが検出されたことを公表した。

今回のウイルスによる肺炎患者が確認されたのは国内で初めて。

男性は1月3日に武漢市で発熱し、6日に帰国後、同日に神奈川県内の医療機関を受診した。

10日に入院し、15日に症状が軽快して退院後、現在は自宅療養中で熱はないものの、咳をしているという。6~10日の男性の行動については、調査中としている(2020年01月20日更新)

 

 

日本国内で2人目の感染者 武漢から東京都内への旅行者40代男性

中国の湖北省武漢を中心に新型のコロナウイルスが原因とみられる肺炎が相次いでいる問題で、武漢から観光で東京を訪れていた40代の男性が、検査の結果、新型のコロナウイルスに感染していると確認されたことが厚生労働省への取材でわかりました。

日本国内では武漢から帰国した神奈川県に住む中国籍の30代の男性が、今月15日に新型コロナウイルスに感染していたことが確認されていて、確認された感染者は2人目となります。

(NHK 2020/01/24)

 

 

CDC(米疾病予防センター)が武漢への渡航注意を最高レベルに

中国で新型のコロナウイルスへの感染が拡大していることを受け、アメリカのCDC=疾病対策センターは1月23日、中国・湖北省の武漢への渡航に関する注意喚起のレベルを3段階のうち最も高いレベルに引き上げました。CDCは中国を訪れる人に対し、不要不急の武漢への旅行は避けるよう呼びかけています。

 

 

外務省 中国湖北省全域に 渡航中止勧告(レベル3)

外務省は1月24日17時過ぎ、新型コロナウイルス肺炎の発生地である武漢市を含む中国湖北省全域に「渡航中止」を勧告した。

【危険度】
●中国湖北省全域
レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(引き上げ)
●上記以外の地域
レベル1:十分注意してください。(継続)
感染がさらに拡大する可能性があるので,最新情報を入手し,感染予防に努めてください。
中国における感染例数等についての最新情報は,感染症広域情報でご確認ください。
新型コロナウイルスに関する注意喚起:https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_009.html

1 1月24日,武漢市近隣6市(鄂州市,仙桃市,枝江市,潜江市,黄岡市,赤壁市)について,各市当局が,公共交通機関の停止及び鉄道の駅及び市を離れる道の封鎖を発表し,感染の地理的拡大が懸念されています。また,武漢市においても,患者数の増加率が大きくなっています。これらの現地の状況に鑑み,感染のさらなる拡大も想定されます。

2 WHOは,23日に開催した緊急委員会の結果,中国でのリスクは非常に高く,地域的及び世界的なリスクも高いと評価しました。また,中国では感染者の介護をしている家族や医療従事者に限定されているとしながらも,ヒトからヒトへの感染があるとしています。

3 上記を考慮し,中国湖北省の感染症危険情報を3に引き上げます。

4 厚生労働省の取組
厚生労働省検疫所は,武漢市からの帰国者及び入国者に対して,咳や発熱等の症状がある場合には,検疫官に自己申告するよう呼びかけています。日本でもこれまでに2例の輸入症例が確認されており,帰国後にこれらの症状がある場合には,マスクを着用するなどし,武漢市に滞在歴があることを申告の上,医療機関を受診するよう協力を求めています。

 

 

ヒトに感染するコロナウイルス・国立感染症研究所

ヒトに蔓延している風邪のウイルス4種類と、動物から感染する重症肺炎ウイルス2種類が知られている。これらについては、それぞれの症状や感染経路などの特徴を表1に示した。

 

1.風邪のコロナウイルス

ヒトに日常的に感染する4種類のコロナウイルス(Human Coronavirus:HCoV)は、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1である。風邪の10~15%(流行期35%)はこれら4種のコロナウイルスを原因とする。冬季に流行のピークが見られ、ほとんどの子供は6歳までに感染を経験する。多くの感染者は軽症だが、高熱を引き起こすこともある。HCoV-229E、HCoV-OC43が最初に発見されたのは1960年代であり、HCoV-NL63とHCoV-HKU1は2000年代に入って新たに発見された。

 

2.重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)

SARS-CoVは、コウモリのコロナウイルスがヒトに感染して重症肺炎を引き起こすようになったと考えられている。2002年に中国広東省で発生し、2002年11月から2003年7月の間に30を超える国や地域に拡大した。2003年12月時点のWHOの報告によると疑い例を含むSARS患者は8,069人、うち775人が重症の肺炎で死亡した(致命率9.6%)。当初、この病気の感染源としてハクビシンが疑われていたが、今ではキクガシラコウモリが自然宿主であると考えられている。雲南省での調査では、SARS-CoVとよく似たウイルスが、今でもキクガシラコウモリに感染していることが確認されている。ヒトからヒトへの伝播は市中において咳や飛沫を介して起こり、感染者の中には一人から十数人に感染を広げる「スーパースプレッダー」が見られた。また、医療従事者への感染も頻繁に見られた。死亡した人の多くは高齢者や、心臓病、糖尿病等の基礎疾患を前もって患っていた人であった。子どもには殆ど感染せず、感染した例では軽症の呼吸器症状を示すのみであった。

 

3.中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)

MERS-CoVは、ヒトコブラクダに風邪症状を引き起こすウイルスであるが、種の壁を超えてヒトに感染すると重症肺炎を引き起こすと考えられている。最初のMERS-CoVの感染による患者は、2012年にサウジアラビアで発見された。これまでに27カ国で2,494人の感染者がWHOへ報告され(2019年11月30日時点)、そのうち858人が死亡した(致命率34.4%)。大規模な疫学調査により、一般のサウジアラビア人の0.15%がMERSに対する抗体を保有していることが明らかになったことから、検査の俎上に載らない何万人もの感染者が存在していることが推察される。その大多数はウイルスに感染しても軽い呼吸器症状あるいは不顕性感染で済んでおり、高齢者や基礎疾患をもつ人に感染した場合にのみ重症化すると考えられる。重症化した症例の多くが基礎疾患(糖尿病、慢性の心、肺、腎疾患など)を前もって患っていたことが解っている。15歳以下の感染者は全体の2%程度であるが、その多くは不顕性感染か軽症である。ヒトからヒトへの伝播も限定的ではあるが、病院内や家庭内において重症者からの飛沫を介して起こる。年に数回程度、病院内でスーパースプレッダーを介した感染拡大が起こっているが、市中でヒトからヒトへの持続的な感染拡大が起こったことは一度もない。2015年に韓国の病院で起こった感染拡大では、中東帰りの1人の感染者から186人へ伝播した。

 

表1

中国武漢 新型コロナウイルス

 

動物コロナウイルス

コロナウイルスは家畜や野生動物などの、我々の周りに棲息するあらゆる動物に感染し、様々な疾患を引き起こすことも知られている。イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ニワトリ、ウマ、アルパカ、ラクダなどの家畜に加え、シロイルカ、キリン、フェレット、スンクス、コウモリ、スズメからも、それぞれの動物に固有のコロナウイルスが検出されている。多くの場合、宿主動物では軽症の呼吸器症状や下痢を引き起こすだけであるが、致死的な症状を引き起こすコロナウイルスも知られている。家畜では豚流行性下痢ウイルス(PEDV)、豚伝染性胃腸炎ウイルス(TGEV)、鶏伝染性気管支炎ウイルス(IBV)、実験動物ではマウス肝炎ウイルス(MHV)、ペットでは猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)が致死的である。コロナウイルスの種特異性は高く、種の壁を越えて他の動物に感染することは殆どない。

 

感染症法での取扱い

日本国内でSARS-CoVやMERS-CoVの感染者が見つかった場合、病気の伝播を抑えるために、感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)に従って感染拡大防止策がとられる。SARS-CoVとMERS-CoVは共に、感染症法において二類感染症に分類されている。感染者には感染症指定医療機関への入院措置がとられ、陰圧管理された病室で治療を受けることになる。同時に疫学調査が行われ、感染経路や接触者が特定される。実験室内でのSARS-CoVとMERS-CoVの所持についても、感染症法によって規制されている。SARS-CoVは二種病原体、MERS-CoVは三種病原体に分類されており、「所持の許可」、「教育訓練」、「滅菌の管理」において、SARSの方がMERSよりも厳しく管理されている。SARS-CoVとMERS-CoVはいずれもBSL3実験室内に保管して取り扱う必要がある。一方、風邪のウイルスHCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1は特に危険な病原体ではないため、感染症法での指定は無く、BSL2実験室で取り扱うことができる。

(国立感染症研究所)

 

 

2020年の春節期間

春節とは

中国・中華圏における旧暦(時憲暦)の正月(旧正月)。

中華圏で最も重要とされる祝祭日であり、新暦の正月に比べ盛大に祝賀され、中国のみならずシンガポールや大韓民国など9か国では数日間の祝日が設定されている。

 

2020年の春節期間

今年は1月25日(土)が春節。

1月24日(金)が大晦日となり、1月30日(木)までの7日間が春節連休として定められている。

春節連休は毎年、前年の12月に中国中央政府の国務院から発表される。

1月24日(金) 大晦日
1月25日(土) 春節(旧正月)
1月26日(日) 休日
1月27日(月) 休日
1月28日(火) 休日
1月29日(水) 休日
1月30日(木) 休日
1月31日(金) 平時に戻る

 

2019年の春節期間の訪日中国人

JNTOの推計によると、2019年2月の訪日中国人旅行者はおよそ72万3,600人で、1月〜2月の2カ月間では147万8千人あまりに上る。

2020年の今年は、対米貿易摩擦などによる米中間の関係悪化から北米エリアへの旅行客は大幅に減少するとみられ、日本を中心としたアジア圏への旅行者が例年よりも増加する可能性を指摘している旅行関係者が多い。

 

 

経過

新型ウイルス肺炎 中国で291人に拡大

中国で新型のコロナウイルスによるものとみられる肺炎への感染が広がっている問題で、中国政府の専門家チームは「ヒトからヒトへの感染が確認された」と明らかにしました。感染が広がっている湖北省武漢は対策本部を設置し、感染の拡大防止に取り組む姿勢を示しています。

中国では、新型のコロナウイルスによるとみられる肺炎の感染が相次ぎ、国家衛生健康委員会は21日、患者が、武漢を含めた湖北省でさらに72人増えて270人になったと発表しました。

このほかにも、▽北京で5人、▽上海で2人、▽広東省で14人の感染が確認されていて、患者は合わせて291人に上り、感染が拡大しています。

このうち感染が最も広がっている武漢では4人が死亡し、9人が重体となっているということです。

また、医療従事者についても15人の感染が確認されていて、中国政府の専門家チームのトップは、国営メディアの取材に対し「ヒトからヒトへの感染が確認された」と明らかにしました。

専門家チームは、新型肺炎「SARS」のウイルスよりも感染力は強くないとみられるとしていますが、警戒が必要だと強調しています。

こうした中、国営メディアは、武漢で20日、対策本部が設置され、患者への対応強化とともに感染拡大を抑え込む方針が示されたと伝えました。

今後、武漢では人が大勢集まるイベントを極力中止するほか、現地の旅行会社なども武漢以外へ旅行する団体ツアーを組むのを取りやめるということで、人の往来の管理が強化されています。

中国では今週24日から旧正月の「春節」にあわせた大型連休が始まり、人の往来が活発化するため、当局は感染拡大の防止に取り組む姿勢を示しています。

(NHK 2020/01/21)

 

北米で初の感染者を確認

中国の湖北省武漢で新型のコロナウイルスによるものとみられる肺炎の感染が広がっている問題で、アメリカのCDC=疾病対策センターは、西部ワシントン州に住む男性から新型のコロナウイルスが確認されたと発表しました。

アメリカで感染者が確認されるのは初めてです。

(NHK 20200122)

 

3人目の死者 発症患者数は198人に

中国の湖北省武漢で、新型のコロナウイルスによるとみられる肺炎が相次いでいる問題で、地元当局は感染した患者がさらに136人増えて198人となり、死亡した人も3人になったと発表しました。また北京や南部の広東省でも武漢を訪ねていた合わせて3人の感染が新たに確認されました。

湖北省武漢の保健当局は20日、新型のコロナウイルスによるとみられる肺炎の患者について、前日までの2日間でさらに136人増えて、198人になったと発表しました。

死亡した人は1人増えて3人になり、危篤の患者も9人にのぼるということです。

このほか、北京市の大興区の保健当局は20日、北京で新たに2人の感染が確認されたと発表したほか南部の広東省の当局も深センで1人の感染が確認されたと発表しました。

3人はいずれも武漢を訪ねていたということですが中国の当局が、武漢以外の場所で患者を確認したと発表したのはこれが初めてです。

中国政府で、この問題を担当する国家衛生健康委員会は全国各地の当局に対して、検査態勢を強め、感染が確認された場合は速やかに公表するよう求めています。

また中国では今週24日から旧正月の「春節」にあわせた大型連休が始まり、人の移動が増えることから委員会は期間中、特別の態勢を組んで、感染の拡大を抑え込む対策を強化していく方針です。(NHK 2020/01/20)

 

新型コロナウイルス 感染者 さらに17人

中国中部・武漢(Wuhan)市で19日、重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルスに似た新型コロナウイルスの感染者が新たに17人報告された。うち3人は深刻な状態にあるという。数億人もの人が国内各地を移動する春節(旧正月、Lunar New Year)を控え、懸念が高まっている。

武漢市当局によると、市内での新型コロナウイルス感染者はこれで62人になった。うち19人が回復して退院した一方、8人が重症、残りの患者は隔離病棟で治療を受けている。また新型コロナウイルスにより、これまでに2人が死亡している。

武漢市の保健委員会は、これまでにヒトからヒトへの感染は確認されていないが、その可能性を「排除できない」と指摘していた。

中国本土はまだ何の旅行制限も課していないが、香港当局は、本土からの旅行者に厳格な体温測定を実施するなど、検疫強化に乗り出している。

中国国外でもタイで2人、日本で1人の感染者が報告されており、タイはバンコクとチェンマイ(Chiang Mai)、プーケット(Phuket)の空港に到着した乗客の検査を既に実施。ビーチリゾートのクラビ(Krabi)でもまもなく同様の措置を実施するという。

 

感染患者少なければ190人 多ければ4000人以上

中国の湖北省武漢市で集団発生している新型コロナウイルスによる肺炎患者は公式発表よりはるかに多く、1700人を超えている可能性があるとの研究結果を、英インペリアル・カレッジ・ロンドンのチームが19日までにまとめた。

武漢市当局は、これまでに45人の患者が確認され、2人が死亡したと発表している。中国の当局者らは同市内の海鮮市場で感染が広がったとして市場を閉鎖し、人から人への感染例は確認されないとの立場を示してきた。

ところが国外でもタイで2人、日本で1人の患者が見つかり、いずれもこの市場を訪れていないことなどから、人から人に感染し得るとの懸念が強まっている。

研究チームは武漢国際空港の利用者数や推定される潜伏期間などに基づき、武漢で感染した人が病院にかかる前に国外へ出る確率は574分の1にすぎないと計算。国外の患者が計3人なら、武漢での患者数は今月12日の時点で1723人に上っていたことになると指摘した。

ただしチームによると、不確定な部分は依然として多く、患者数は少なければ190人、多ければ4000人以上と見積もられる。いずれにしても、人から人への感染が相当の頻度で起きている可能性は否定できないという。

チームはこの結果を基に、監視強化や迅速な情報共有、準備態勢の整備を呼び掛けた。

米疾病対策センター(CDC)は17日、ニューヨークとサンフランシスコ、ロサンゼルスの主要3空港で、武漢から到着した乗客にせきや呼吸困難、発熱の症状がないかどうかを検査するため、職員100人余りを配置すると発表した。(CNN UK)

新型コロナウイルスについて、中国のSNS上で関連する書き込みを行うと「削除」されるという状況もあり、中国当局が情報統制を行っている可能性が指摘されている。

 

厚生労働省

 

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