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ベッドのきしむギシギシ音がたったこれだけで解決したというお話

ベッドのきしむギシギシ音がたったこれだけで解決したというお話

 

ベッドにしよう!

我が家では、寝相の悪い夫+ひょろ長い妻の組み合わせのためクィーンサイズの木製ベッドを使用しています。

ことし(令和元年)2月、転居をすることになり、それまでは床に布団を敷いて眠っていましたが、妻の腰痛悪化に加え、冬の時期の底冷え対策(北海道民です…)を兼ねて「ベッドにしよう」ということになりました。

 

底冷えの話

北海道の住宅は、断熱材の使用量や二重窓など、寒冷地仕様となっているのが一般的です。

僕が北海道から上京した30年ほど前、はじめて住んだボロアパートで、結露しまくるベランダに面した大きな窓、洗濯機置き場が外、玄関もドア1枚で室内との区切りがない、と挙げればまだまだ出てくる建物の違いに驚いたものでした。

石油ストーブにエアコンの温風を組み合わせても部屋がなかなか暖かくならず、北海道の冬のように部屋をトロピカルに温める習慣がないということを知るまで、大きな光熱費を叩き出していました。そもそもボロ…

北海道では、割と小型のFF式ストーブでも、室温0℃くらいから20℃前後まで20分前後もあれば温まります(もちろん、部屋の構造やストーブのパワーに影響されます)。

転居する前のアパートは新築時から住んで約10年、居室は1階、窓は北東向き。日中最高気温が氷点下5℃くらいとして、朝出かけるときにストーブを消し、午後8時前後に帰宅すると概ね室温は5℃前後。室温自体はすぐに上がりますが、1階であることや日中の陽光で建物自体が暖められる立地ではなかったことも手伝って、床が冷たいのです。

北国の戸建住宅や分譲マンションでは床暖房完備が多いですが、賃貸アパートだと床暖房設備があるところは決して多くはありません。もちろん石油ストーブに接続するタイプの不凍液循環式床暖房や電気ホットカーペットなどもあります。

ストーブ用の床暖房は、ストーブそのものも大きくなりますし、賃貸物件では暖房設備がそもそも取り付け済みでわざわざストーブを取り替えてまでということにはなりません。電気ホットカーペットは相応の電気料金が発生します(料金的にはけっこうかかるというのが実感。高いわ!と思います。最近のものは消費電力量とかいいものもあるのかしら…)。

冬場の北海道はストーブがないと死んじゃいますが、やはり暖房費用は日々の生活にとって大きな負担ですから、実家のようにトロピカル暖房はせず、ある程度の寒さは耐え忍ぶことになります。

それでも、眠っている間の寒さは、堪えます。床に近いところで寝ているとやはり底冷えは感じます。床に断熱シートを敷くとか、湯たんぽを使うとかいろいろな工夫をしても、1階の床の冷たさはなかなかのものです。

このような訳で、転居を契機に、ほぼ一日を通して日の当たる西向き、3階建ての2階部分、鉄筋コンクリート造の建物を選択しました。

 

 

腰が悪いのでベッドマットは硬いもの

腰痛対策と底冷え対策、この2つの問題を解決しようとベッドの導入を考え、寝相を理由にサイズはクイーンとなり、某大手通販会社で木製のベッドを購入しました。

ベッド本体(ベッドフレーム)よりもマットレスに重きを置こうと思っていたので、ベッド自体は高価なものは選択しませんでした。もちろん全体予算というものがありますし。

ベッドフレームは記載されている寸法を元に設置する部屋でメジャーを使ってサイズ感を確認した程度で決めました。あとはコンセントの有無とか、引き出し付きとか、色とか、それくらい(この決め方が、ギシギシ音の根源だったのかもしれませぬ…)。

 

硬いマットは腰に負担がかからないという勘違い

上を見ればキリがないのはどんなものでも同じ。でも、妻の腰痛軽減に少しでも効果を発揮してくれるベッドマットを探すという大切な目的がありますから、事前に、アスリートご推奨のアレとか、海外の有名ベッドブランドのアレとか、いろいろ調べました。

いくつかの商品に目星を付けつつ、結局のところ実物を見て・触って・寝てみないことにはわからんべ、ということで連れ立って某大手家具店へ。

ベッドマットのコーナーにはざっくり40種類以上の商品が、サイズや硬さ、スプリングの種類、材質、除湿・抗菌などさまざまな機能と共に紹介されていました。そしてもちろん、それぞれのベッドマットはベッドフレームに乗っています。

意外に(たくさん)あるな…。というか、この中から選ぶのはけっこう大変だと思いました。

で、浅はかな素人は「マットは柔らかいと腰に負担がかかるらしい」という勘違いの旗印のもと、硬いマット、硬いマットと連呼しつつ、クィーンサイズはあるかぁ?とか言いながら、「硬い」とか「硬め」とか書かれているマットを押したり、叩いたり、持ち上げてみたり(笑)していました。

そうこうしていると、とても穏やかな表情の年の頃は60代前半という女性の店員さんが「横になっていただいて大丈夫ですよ」と声をかけてくださいました。「ほぉ」と思っているとさらに「靴のままで結構ですから」と。想像に難くない展開ですが、いい年こいて喜々として寝まくりました。

「やっぱり一番硬いのが寝てて楽な感じするわぁ(素人感)」的なことを言いつつ、先程の店員さんに在庫はありますか?的なことを話ししていると、「硬さはあれで大丈夫ですか?」と。「ん?」。

家内が腰痛でというお話をすると「硬すぎるマットは沈まなさすぎて、かえって負担が大きくなることがあるんですけど、どうでしたか?」「へ?」。あわてて、買おうと思っていたマットのところに戻り、寝てみる。

「お客様のご様子(体重やら骨格)ですと、こちらくらいの方が沈み方が良いかもしれません。あとは、いつも寝ている姿勢ですね。仰向けが多いか、横向きなのか。横向きですと、硬すぎると骨盤が沈まないのと、肩も沈まないので背骨がS字のようになって、腰痛にも、肩こりの原因にもなります。」「おおう…」

かくして、普段使っているくらいの高さの枕もお借りして、時間をかけて横になって、寝返りを打って、ということをしてみた結果、考えていたよりも柔らかいベッドマットがちょうど良いことがわかり、そちらを購入させていただきました。

どの世界でも、経験に裏打ちされたプロフェッショナルな方のアドバイスは素晴らしいものだと再確認しました。

 

 

最初はそんなに気になるほどでもなかったギシギシ音

通販で買ったベッドフレームが先行して到着。費用負担を小さくするため、組み立ては「自分」です。

過去、少なからず家具類の組み立てをしてきているので、失敗や怪我の経験も多く、まずはじっくり説明書を熟読。大まかな手順を頭に入れてから、滑り止め付き軍手、厚手の靴下、電動のトルクドライバーと工具類を準備、さらに組み立てた部品を一時的に置いておく場所も確保して作業を開始。

おっちょこちょいな私は、幾度となく足の上に板や工具を落としたり、足首あたりを切ったりということを繰り返しているので、とにかくこういった作業のときは防御力を高めています。何なら室内でも運動靴を履くレベルです。心当たりのある方、おすすめします。

後々、緩みなどが出てしまうことは嫌なので、ボルトやネジ、L字金具のようなものはしっかりと取り付け・締め付けをします。ただ、問題なのはあまりにも強く締め付けてしまうとそれはそれで破損や音鳴きの原因になってしまうので難しいところ。取付後、少し負荷をかけてみて軽く動いてしまうよなことがない程度というところでしょうか(自動車や機械類、精密機器などでは締め付けトルクが指定されていたりするのでわかりやすいんですけどね。家具などは何となくという、勘に頼ることになりますね)。

 

ベッドフレーム完成 マットの到着

ゆっくり3時間ほどかけて、片側引き出し付きのクイーンサイズベッドフレームが完成。このサイズになると、組み立てもなかなか大変でした。

翌々日に、注文をしていたベッドマットが到着。こちらは、2人の配送担当方が梱包を解いて設置してくれました。なにしろ、デカイし、想像以上に重い。注意事項として「圧縮されていた方のマットもあるので、膨らみが戻るまで数時間はそのままに」ということで、跳ねて遊ぶのはお預けに。

夕刻、汗取り用のベッドマットを掛け、シーツをセットして、横に。

このときは、乗るとき、動いたときに「キシッ」っと小さな音が鳴る程度でした。

 

3カ月目にはうるさいレベルに

■1週間経過
わずかに音はなるけれど、まぁこんなもんだろう。

■3週間経過
寝返りを打つときの音が「キシッ」から「ギッ」となり気になり始める。

■1カ月経過
それまで1~2箇所で鳴っていたと思われる音が、3~4箇所に増えていることに気づく。

■2カ月経過
春になり、引越しの荷物整理で十二分にホコリやゴミを出したので、乾燥目的も含めてベッドマットを立てて、ベッド下を掃除。
朝から夜までそのまま放置後、ベッドマットを起き直しメイキング。
この時点で、キシミ音がやや緩和され、3週間経過後時点程度に戻る。

■2カ月と1週間
1カ月経過の頃の数カ所から「ギッ」に戻る。残念。

■3カ月経過
「ギッ」から「ギギッ」、さらに「ギッコギッコ」が追加。
この頃には寝返りを打つだけで、最も体重のかかる腰のあたりを中心に相当耳障りな音が出るようになり、眠りが浅い状態だと目が覚める始末。

妻が先に寝ているとせっかく眠っているのに起こしてしまわないかと気を使ってベッドに入ることになってしまい、さらに、眠る前に本を読んだりしていて、姿勢を変えようとすると「ギッコギッコ」するので、音を出さないためにそのまま耐えていると腰やら背中やらが痛くなるという何のためにお高いベッドマットを買ったのか意味がわからなくなる謎の修行に突入。キイイイィィィッ。

 

あっさり無音になった方法

4カ月目にして、あまりにもいたたまれなくなり、Google先生で調べ始めたところ、

・ベッドのきしみ音の原因と対策

・ベッドの軋み音 解消方法

・ギシギシ音をなくす

などなどのキーワードで、たくさんの情報が出てきました。

で、その中の対策としては、木製ベッド系、フレーム(パイプ)ベッド系という要素と、ベッド全体の支え方とか、棚板(床板?)がすのこだの何だの的な話とか、いろいろありまして、原因として書かれていたのが、

・ベッドと床の擦れ

・ネジや接合部の緩み

・フレームや棚板の割れや劣化

・ベッドマットの寿命

というような内容が多く挙げられていました。

そんな中、メーカーサイトのQ&Aに「軋み音を完全に無くすことはできません」という記述を見たときには、「そりゃぁそうだけどさぁ…」と。もちろん、原因と対策、メンテナンスの方法などをきちんと書いていらっしゃいます。

 

自分で調べる

どのサイトの内容も「家のと違う~」という感じでしたので、いくら文字を追っていても仕方のないことで、結局、自分で調べて考えるのが一番ね、と当たり前の結論に達し、面倒臭がって放置しないで(していた)重い腰を上げました。

 

とりあえず、ざっくりどこらへんから鳴っているのか?

ベッドの上に乗って、あちこち移動してみたところ、ほぼ「あちらこちら」でギコギコいう(笑うしかない)。

 

ベッドマットそのもの

ベッドマットを居間に引っ張ってきて、床に直接置き、ベッドに乗ってあちこち移動 → 無音(買ったばかりだもの…)。

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ベッドと床の擦れ

我が家のベッドは木製のクイーンサイズで、床はフローリング。

フローリングはどこにでもあるような木製床で、床自体には浮きとかキシミ音はなく、入居時のワックスでツヤツヤしている状態。

ベッドは組み立てのときに、付属していたフェルトの丸いポッチを床面と触れる部分にペタペタ貼っただけ。このフェルト、接合部分や荷重のかかるところを中心に説明書通り相当な数を貼りました。

ベッドマットを移動したので、残ったベッドフレームを色んな角度から押してみたり、引いてみたり、ねじれが加わるようにしてみたり、持ち上げてみたり、しまいに全体を引きずってみましたが「あの音」は一切鳴らず。

ベッドのきしむギシギシ音がたったこれだけで解決したというお話

 

板と板の組み合わせと接合部とネジ

ベッドごと引きずって音がしないのだからと思いつつ、棚板をはずして細かくチェック。

別の部材同士が直接触れているところ(板と板)、L字金物の取付部、それぞれ組み立てた部品をつないでいるボルトやネジ、ワッシャー等の入れ忘れなどなど、部品の取り付け間違いも含めて確認しつつ、押したり引っ張ったりズラしたり → 音は出るけれども「ギコギコ」じゃない。

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棚板(床板)

よけていた棚板を戻して、上から押す。

「ギギッ…」

む?

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音が…鳴るぞ?

隅の方も押して見る。

「ギッ」

おおう。鳴る(笑)。

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棚板を裏返すと、横方向に3本の支えがあるだけで、縦も筋交いもない…(組み立てているときはあまり気にしてなかったけど、安っすいヤツやん)。

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こいつか…。

 

ギシギシ音の出る原因

具体的にどこが原因で音がなっているかというと、

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棚板の支え(柱)とベッドフレームの棚板受け部分の擦れでした。

横方向に3本の柱しかないので、柱と柱の間や真ん中の柱に荷重がかかると棚板そのものが湾曲して、柱の平面の一方がズレ上がるような動きをして摩擦となり「音を出している」ものと考えられました。

 

対策案

1.  ベッドフレームの棚受けに沿わせて、縦方向に木材の柱を追加+☓印に筋交いを追加することで「板」の歪みが起きないようにする。

2. 丈夫な棚板をオーダーで購入する(通気性の良いすのこのタイプとかいろいろあったりします)。

3. 簡単にどうにかならんのか?

当初参考にしようと調べたサイトの多くが、ベッド本体やマットレスの買い替え、吸音材の取り付けなどなど物品購入での解決を促す傾向がありまして、もちろんご商売ですから当然なのですけれど、我が家のベッドもマットも購入後わずか数ヶ月の新しいものなのでどうにも釈然としない。しかも、基本的にズボラな私の選択肢は、簡単にどうにかならんのか?しかないのでした。

 

引っ越したときに100均で買ったアレ

ふと思いたち、引っ越し直後に冷気対策や網戸の歪みを埋めるのに買った「隙間テープ」が残っていたんじゃないかと道具箱をあさると、ありました、切れっ端。

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試しに、この切れっ端を棚板側の支持点である6箇所に貼り付けてみました。

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テケトーに貼っているのはおいといて、棚板をはめ込んで押して見ると、

「・・・・・・」

鳴らないw

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乗っかって、体重をかけてみる(ズボンの柄は許してください)、

「・・・・・・」

鳴らない!

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キタコレ(古)。

道具入れに、隙間テープがちょうど1本あったので、棚板残り7枚分をチョキチョキ量産。

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どんどん貼って、棚板を戻して、ベッドマットを置き直し…

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かなりオーバーアクション気味にゴロゴロしても無音!妻に内緒で飛んでも無音!バンザイ!(写真をトリミングするのが面倒で、背景が雑然としているのは引越し後のご愛嬌ということで…)。

急に静かになったベッドに気づいた妻が「私が起きるときに音が鳴って、起こしてしまうんじゃないかと気にしていた」と。やはり不愉快に思っていた模様で、解決して何より。

ベッドのキシミ音には、こういうケースもあるということで。

ちなみに、今回の防音対策を施す前にベッドマットをはずした状態で、棚板に直接布団を敷いて横になった見たところ、あまり大きな音は鳴りませんでした。もちろん、手で棚板を押すと「ギコギコ」いうのですが、どうやら少しでも良いものをと思って購入したお高いベッドマットがとても重く、安っすい棚板の耐えられるレベルを超えていたのかもしれません。これはこれで応急処置にしかならないのかもしれませんが、再び鳴り始めて、この方法が通用しなくなったら、棚板のオーダーも考えようかと思います(そして結局、オーダーした棚板にも隙間テープ貼ったりして…)。

 

活躍してくれた100均で買ったアレ。1mのものが4本も入って100円。こちらはホントお安い。ありがたい。

ベッドのきしむギシギシ音がたったこれだけで解決したというお話

 

author:Akira.S

 

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