平成30年度チェーン規制・義務化 国道6カ所 高速7カ所
本題の前に、私はスパイクタイヤの時代から車を運転しているが、タイヤチェーンなど1度も買ったことがない。
タイヤチェーンの取り付けをしたのは、自動車学校で習った1回と、スパイクタイヤが禁止された年に友人のお母さんが「アイスバーンがすごい怖い」というので、FF車に友人とともに取り付けを手伝った1回、それくらいのものだ。
雪国に生まれ育った私からすると「タイヤチェーン」は、カッチカチに凍結したスケートリンクのような路面状態の市街地で、大型トラックやゴミ収集車、融雪剤散布車などの車両が装着しているのを見て、「きょうはかなり滑るもんな」と思うようなものであって、一般車両が「普通に」着けて走行しているものではないし、スタッドレスタイヤの性能が著しく向上した近年において、一般ドライバーがタイヤチェーンを保有しているケースはとても少ない。
北海道では多くの人々が日常的に車を使う。1家に1台ではなく、多くの場合1人に1台だ。車はとても身近な移動手段で、自転車は持ってないけど車は持っているという人が普通にいる。
北海道は広大であるという地域特性から、「行ってくるわ」と軽く言って30km圏を移動し、50km圏を「ちょっと先」くらいと思い、100km圏で「少しあるね」という距離感である(もちろん個人差はあります)。私自身、200kmを超えてくると「ちょっと遠いな」と感じるが、「まぁ、ちんたこら4時間ちょいだ」で終わる。
季節を問わず、毎日のようにそこそこの移動距離を車で走る人々のほとんどが自分の車用にタイヤチェーンを持っていない。
警報が出るようなレベルの大雪で、タイヤチェーンなんて着けたら余計走りづらいと考える人も多い。スタッドレスタイヤで動けなくなるような大雪で「タイヤチェーン着けたら走れるんか?」と近所のおじさんが真顔で聞いてきたくらいだ。彼は40年超えのダンプの運転手で、プロの大型乗りだが、これこそ、北海道民の感覚なのだと思う。
今回のタイヤチェーン規制に関する報道で、仕事やプライベートで日常的に車を使う雪国の人にとって、チェーンがないと通ってはいけない道が現れることは大きな混乱を招いたが、1シーズン中に「大雪警報が出て、指定された高速道または国道の通行止」に出くわすことは、決して多いこととは言えないのも事実。
国土交通省は、「従来は降雪により通行止めにせざるを得なかった道路について、チェーンを装着してることを条件に通行を可能とし、大規模な立ち往生を防止することが目的。」としている。さらに、同省は「今回実施する規制は、その実施場所は限られ、かつ、警報級の大雪で交通が阻害される可能性がある場合のみ行うもので、年に数回あるかどうかであり、市街地での走行についてはスタッドレスタイヤで問題はないと認識している。」ものである。
しかしながら、それぞれの地域特性に見合った「チェーン規制の運用」が望まれる。
北海道と東北、そして関東甲信越地方という地域の違い、さらに、乗用車と大型トラック、まして牽引(トレーラー)となると条件が違いすぎ、全国一律での運用となると、疑問が残る。
追記
北海道地方は、今季の規制が見送られた。本州とは異なる「雪」の事情が考慮されたものだと思う。
本州方面に降る雪は、北海道と比べると大抵の場合水分量が多くなる。このような雪が積もった道路を車両が走行して踏んでいくと、溶けかけの氷のような圧雪路が出来上がる。表面が溶けて水の膜がある雪道は、スタッドレスタイヤにとっては「苦手」な道だ。実際、よく滑る。北海道でも日中の交差点付近やバスの停留所近くなど、驚くほど滑ることがままある。このような状況で、さらに勾配がある道路ではタイヤチェーンの効果は、スタッドレスタイヤを圧倒する。
JAFによれば、アイスバーン状態で「平地」から発進し「勾配9%」の坂道を上る走行試験ではスタッドレスタイヤのみの車は上ることができず、タイヤチェーン装着車は上ることができたという。
平成30年12月10日「平成30年度チェーン規制(直轄国道・高速道路) 現時点での調整箇所」が公表されました。
公表された直轄国道と高速道路の路線及び区間は、本ページの第2項目「平成30年度タイヤチェーン規制路線」をご覧ください。
北海道地方は今季の規制実施が見送られました。
平成30年12月14日「内閣府 国土交通省令第五号」として、昭和35年総理府・建設省令第3号の一部が改正・公布されました。
これにより、チェーン規制に関する命令は即日施行されました。
チェーン規制の実施方法や規制時に通行可能なチェーンの種類などは、本項内のリンク記事をご参照ください。
平成30年度タイヤチェーン規制路線
国土交通省では、冬期道路交通確保対策検討委員会でとりまとめられた、「大雪時の道路交通確保対策の提言 中間とりまとめ」に基づき、「道路ネットワーク機能への影響を最小化」するため、除雪体制の強化や集中除雪、大雪時の需要抑制の呼びかけ等の取り組みを進めているところです。
このうち、チェーン規制については、
・時期:大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるような異例の降雪時※
※平成29年度は、大雪特別警報の発令はなく、大雪に対する緊急発表は3回。
・場所:勾配の大きい峠部でこれまでに大規模な立ち往生などが発生した区間 を対象として、従来であれば通行止めとなる状況においてタイヤチェーン装着車のみ通行を可能とするものですが、現時点で、国土交通省と警察において調整しているチェーン規制区間は別紙のとおりですのでお知らせします(下表参照)。
⇒ 全国13区間(うち 直轄国道6区間、高速道路7区間)
具体的な開始時期については、改めてお知らせいたします。
また、大雪が予想される2~3日前より通行止め実施の可能性がある旨について事前広報を行い、不要不急の外出を控えることや広域迂回、並びに物流車両の運行計画の見直しなどについて、地域住民や道路利用者に周知してまいります。
(国土交通省・警察庁)
※警察庁においても、同様の広報を実施しています。
直轄国道・現時点での調整箇所について
都道府県 | 路線番号 | 箇所名 | 区間 | 延長(km) |
山形県 | 112 | 月山道路 | 西川町志津〜鶴岡市上名川 | 27 |
山梨県 静岡県 |
138 | 山中湖・須走 | 山梨県山中湖村平野〜静岡県小山町須走字御登口 | 9 |
新潟県 | 7 | 大須戸〜上大鳥 | 村上市大須戸〜村上市上大鳥 | 16 |
福井県 | 8 | 石川県境〜坂井市 | あわら市熊坂〜あわら市笹岡 | 4 |
広島県 島根県 |
54 | 赤名峠 | 広島県三次市布野町上布野〜島根県飯南町上赤名 | 12 |
愛媛県 | 56 | 鳥坂峠 | 西予市宇和町〜大洲市松尾 | 7 |
高速道路・現時点での調整箇所について
都道府県 | 路線番号 | 道路名 | 区間 | 延長(km) |
新潟県 長野県 |
E18 | 上信越 | 信濃町IC〜新井PA | 25 |
山梨県 | E20 | 中央道 | 須玉IC〜長坂IC | 9 |
長野県 | E19 | 中央道 | 飯田山本IC〜園原IC | 10 |
石川県 福井県 |
E8 | 北陸道 | 丸岡IC〜加賀IC | 18 |
福井県 滋賀県 |
E8 | 北陸道 | 木之本IC〜今庄IC | 45 |
岡山県 鳥取県 |
E73 | 米子道 | 湯原IC〜江府IC | 34 |
広島県 島根県 |
E74 | 浜田道 | 大朝IC〜旭IC | 27 |
大雪時におけるタイヤチェーン義務化の概要
国土交通省は11月15日、気象庁が警報を出すレベルの大雪の際、立ち往生が懸念される高速道路や国道の区間で、全ての車にタイヤチェーンの装着を今年の冬から義務付ける方針を公表した。
過去に立ち往生が起きた場所や急坂などの約20区間を11月月末から年度末までに順次指定する。
さらに、来年度以降も加えて約200区間に広げる。
標識に関するパブリックコメント(意見公募)を踏まえ、12月上旬に道路法に基づく標識令を改正、冬用タイヤ使用車にもタイヤチェーンの装着を義務化する考え。
約20区間は選定中で、2018年2月に大規模な立ち往生が発生した福井県内の国道8号や、並行する北陸自動車道の一部などの指定が先行すると見られている。
タイヤチェーン未装着車の通行規制実施へ 〜 経緯
11月15日、国土交通省と警察庁からあるパブリックコメントの開始が発表された。
その内容は、『チェーン規制等に関する改正案のパブリックコメントを開始します 〜 「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令の一部を改正する命令案」について 〜 』というものだった。
この標識が示す規制は、
気象庁が大雪警報を出すレベルで、かつ、立ち往生などの交通障害が発生する可能性が考えられる(または、過去に発生した)国道及び高速道路について、タイヤチェーン未装着車の通行を禁止する
というもの。
タイヤチェーンの装着義務化ありき?のパブリックコメント
今回のパブリックコメントで国民からの意見公募を行っているのは、「タイヤチェーンを取り付けていない車両の通行を禁止する意味を表示する規制標識を新設することとします。(国土交通省)」ので、その標識について何か意見はありますか?という内容。
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報道発表資料:チェーン規制等に関する改正案のパブリックコメントを開始します<br>~「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令の一部を改正する命令案」について~ - 国土交通省
国土交通省のウェブサイトです。政策、報道発表資料、統計情報、各種申請手続きに関する情報などを掲載して ...
www.mlit.go.jp
国交省と警察庁のウェブサイトを探してみると、このタイヤチェーンの装着義務化について、「大雪のときにタイヤチェーン装着を義務化する検討をしているが、この命令について何か意見はありますか?」という、パブリックコメントは存在しない。
そして、今回公表された「規制標識新設に関するパブリックコメント」によって、マスコミが相次いで「タイヤチェーン義務化」を報道したことで、多くの国民がその事実を知ることとなった。
冬期道路交通確保対策検討委員会
タイヤチェーン義務化の元になっているのが、『「大雪に対する道路交通への障害を減らすための具体的な方策など今後取り組むべき課題を検討することを目的として、「冬季道路交通確保対策検討委員会」を設置します。』として国土交通省が設置した委員会である。
この委員会は、これまでに4回開催されている。
第4回(2018年11月1日)
第3回(2018年4月23日)
第2回(2018年3月28日)
第1回(2018年2月26日)
委員は次の通り。
委員長 | 氏名 | 所属・役職等 |
天野 真志 | 読売新聞 東京本社編集局次長兼経済部長 | |
◎ | 石田 東生 | 筑波大学 名誉教授 |
片田 敏孝 | 東京大学 大学院情報学環 特任教授 | |
国崎 信江 | 株式会社危機管理教育研究所 危機管理アドバイザー | |
佐野可寸志 | 長岡技術科学大学大学院 教授 | |
関谷 直也 | 東京大学大学院情報学環 准教授 |
◎:委員長 (敬称略)(五十音順)
※その他オブザーバーとして、内閣官房副長官補(事態対処・危機管理担当)付内閣参事官、 内閣府政策統括官(防災担当)付 参事官(災害緊急事態対処担当)、 警察庁交通局交通規制課長、気象庁総務部参事官、自動車局安全政策課長
第2回委員会でチェーン規制について言及
第1回委員会はいわゆる顔合わせもあって、公表されている議事要旨もペラ1枚。
そして、第2回委員会の議事要旨に、
(2)大雪時の対応に対する価値観の転換 ①関係行政機関(国、地方自治体、高速会社および関係機関)
・これまでは高速道路や国道等のそれぞれの道路管理者が出来るだけ通行止めをしない ように除雪等の対応をしていたが、ひとたび滞留が発生すると大規模かつ長期の通行止 めとなることがある。
・また、高速道路の通行止めに伴い、並行する国道等に車両が流れ込むことによって、大 規模な滞留に繋がるケースも多い。
(ソフト的対応)
⇒滞留が発生してから通行止めを行うのではなく、道路ネットワークとして通行止め時 間を最小化する観点から、雨量規制のように、予防的な通行止めを実施し、集中除 雪をすべきではないか。
⇒大雪が予測される区域への通過車両の流入を防止するために、高速道路や国道 等の通行止め範囲をより広域的に設定し、広域迂回を徹底すべきではないか。
⇒空振りとなることを恐れずに通行止め区間を事前に予告することで、荷主やドライバ ーに輸送日時やルートの変更の検討をお願いすべきではないか。
⇒迂回や時間をずらすことができない車両には、チェーン等十分な雪道走行装備を 備えることをお願いするとともに、チェーン規制を実施すべきではないか。
⇒各地域(路線・区間)でタイムライン(事前、当日、滞留事故発生時)を策定し、前日 までに梯団強化など除雪体制配備をしておくべきではないか。
⇒大雪時に備え地域に応じた除排雪手法を見直し、除雪車の増強、オペレータ不足 2 や高齢化への対応等を充実させるべきではないか。
と、チェーン規制に関する文言が登場する。
この第2回委員会では、全日本トラック協会とセブン-イレブン・ジャパンが資料の提出を行っている。
また、このあと第3回で「チェーン等の装着の徹底 ・チェーン未装着の車両の通行制限やペナルティ等の検討」と、規制区間のタイヤチェーン未装着車に対しての罰則規定を追加する検討も行われている。
なお、第3回委員会で「中間とりまとめ(案)」が出され、この時点から第4回開催まで半年超の期間が経過している。この中間とりまとめは、5月16日に公表されている。
第4回委員会で今冬の大雪対応予定が出される
11月1日、第4回冬期道路交通確保対策検討委員会は「今冬の大雪対応予定」を公表した。
この中に、
チェーン等の装着の徹底
・法に基づくチェーン規制の実施
・平成30年第3四半期 一部区間で先行導入
・平成30年第4四半期 導入
・平成31年〜32年順次適用を拡大
・平成33年運用見直し
というロードマップが示されている。
このロードマップに記載されている「法に基づくチェーン規制の実施」に関し、道路交通法や都道府県道路交通規則等の法改正について具体的な言及や明示はない。
予防的通行規制区間の考え方
具体的なチェーン規制に関する罰則基準等が示されないまま、「チェーン装着は決まったこと」として、「標識」に関するパブリックコメントが先行、それによって一般市民がこの規制案を知ることとなったのは何とも釈然としない。
国土交通省か警察庁には、もっとわかりやすく、経緯と法運用、具体的な手順・手続について説明しているウェブページがあるのだろうか…。
具体的な規制対象となる国道・高速道路の路線は判明し次第本項に掲載します。
また、何らの進捗があった際には随時更新とします。
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道路:冬期道路交通確保対策検討委員会 - 国土交通省
www.mlit.go.jp
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報道発表資料:大雪時の道路交通の確保に向けた取り組みについて(チェーン規制の検討状況) - 国土交通省
国土交通省のウェブサイトです。政策、報道発表資料、統計情報、各種申請手続きに関する情報などを掲載して ...
www.mlit.go.jp
新聞記事から
大雪タイヤチェーン義務化に困惑
「スタッドレスで十分」「付けたことない」
気象庁が警報を出すレベルの大雪の際、立ち往生が懸念される高速道路や国道の区間で、全ての車にタイヤチェーンの装着を今冬から義務付ける方針を国土交通省が示し、福井県内のドライバーから「スタッドレスタイヤで十分では」「大雪となる2、3日のためにチェーンを買うのか」といった戸惑いの声が上がっている。国交省福井河川国道事務所は「冬用タイヤだけではスタックして大規模な立ち往生につながる」と必要性を強調、カー用品店はチェーンの品ぞろえを急いでいる。
今年2月の記録的な大雪により、福井・石川県境の国道8号で最大約1500台が立ち往生した。国交省は国道8号冬期道路交通確保対策会議で、装着不明を含めチェーン未装着の大型車9台のスタックが大規模な立ち往生の原因と報告。15日、立ち往生が懸念される高速道路や国道の区間で、スタッドレスなどの冬用タイヤ使用車を含めた全ての車にチェーン装着を求める方針を公表した。
2月の大規模立ち往生を踏まえ、福井河川国道事務所は、他事務所からの除雪機械増強のほか、監視カメラやチェーン着脱場がある車両待避スペースの新設といった対策を進めている。
今回のチェーン装着の義務化に関し、どの程度の降雪で、どの区間を対象にするかは警察庁と今後協議し決める。県内の国道8号や並行する北陸自動車道の一部などの指定が見込まれ、平井義博副所長は「冬用タイヤだけではスタックが起きる。大規模な立ち往生を防ぐためには、チェーン装着が必要」と理解を求める。
納得できないドライバー
チェーンの効果について日本自動車連盟(JAF)福井支部は「アイスバーンでの走行に有効。路面状況によって異なるが、装着した方が確実に立ち往生のリスクは減る」と説明。時速40キロでの制動距離テストでは、スタッドレスタイヤよりもノーマルタイヤにチェーンを装着した方が制動距離が約20メートル短いとの結果も出ている。
ただ県内では、冬用タイヤに付け替え、チェーンを装着しないのが一般的だ。40代のアルバイト女性は「チェーンを持っていないし取り付けたこともない。スタッドレスタイヤだけでいいのでは」と困惑した様子。福井市の60代男性も「チェーン装着の義務化は大型車だけでいいのではないか。トラックが雪道対策をして(道路管理者が)除雪体制をちゃんとすればいい話」と不満を示した。
県内のトラック、バス事業者は「雪道でのアクシデントを未然に防ぐ対策としては歓迎」との立場。一方、県トラック協会の中山武専務理事は「そんなに厳しくして本当に守られるのか」と疑問を呈する。冬場のチェーン携行は県内の事業者には普及しているが、雪が降らない地域の運転手の意識は低く、「全国のドライバーに対してしっかり広報しないといけない」と指摘する。
国交省の方針を受け県内のカー用品店では、チェーンの在庫確保など対応を急いでいる。福井市のオートバックス福井北店では、方針が公表された15日から問い合わせが相次ぎ、実際に購入する客も数人いた。担当者は「例年よりも出足が早い」と話し、タイヤサイズによっては入荷未定のものもあるため「早めに買い求めた方が安心」とアドバイスしている。
(福井新聞:2018年11月26日 午前7時20分)
チェーン義務化、道内必要? スタッドレスタイヤが一般的
大雪で自動車が立ち往生する恐れのある国道や高速道路でタイヤチェーン装着を義務づける新制度を今冬から導入するため、国土交通省が適用区間の選定を進めている。道内でも日勝峠や石北峠など、国道だけで約20カ所が検討対象。新制度は、昨冬に北陸や首都圏でスリップや脱輪により多くのトラブルが起きたことへの対応だが、降雪量が多くスタッドレスタイヤが一般的な道内にチェーン規制は適さないとの声は多い。
チェーン規制は、国交省の有識者会議が大雪時の交通対策として提言した。あらかじめチェーン装着を義務づける区間を決め、警報レベルの大雪が見込まれた時に規制を発動。チェーンを装着せず大規模な交通障害を起こした場合、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金を科す。
年内に決める適用区間の第1弾は、急勾配で立ち往生が起きやすい場所として定められた国道の「除雪優先区間」や高速道路のうち、チェーン着脱場がある場所などから選ぶ。日勝峠(国道274号)や石北峠(同39号)などの基幹道路が候補に含まれている。
ただ、道内ではスタッドレスタイヤの装着が当たり前。スリップよりも視界不良が立ち往生の原因となることが多く、ドライバーからは「猛吹雪の中でチェーンの装着作業をする方が危険」との疑問が相次ぐ。東日本高速道路(ネクスコ東日本)幹部も「北海道・東北と、関東では状況が違う」と述べ、全国一律の規制に首をかしげる。
これに対し、国交省道路防災対策室は「チェーン規制の目的は物流などの機能がまひしない程度に交通量を減らすこと」とし、規制発動のタイミングは、天候や道路状況を把握している開発局やネクスコ東日本など現地の道路管理者が中心となって判断すると説明。「道内の気象状況やドライバーの意識の高さは理解している」とするが、雪道に対する認識には道内ドライバーと大きな乖離(かいり)がありそうだ。
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北海道新聞デジタル
札幌、旭川、函館などをはじめとする北海道各地域の独自ニュースを掲載。政治・経済から気象・災害・道路状 ...
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(北海道新聞社:2018年12月3日 午前5時)