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エレン・イェーガーさん休日はサウナでととのう NHKプロフェッショナル

エレン・イェーガーさん休日はサウナでととのう NHKプロフェッショナル

 

NHK プロフェッショナル「エレン・イェーガー」

2023年10月23日放送

戦わなければ勝てない

ナレーション(橋本さとし)「その男の日常は、戦いの連続だった。圧倒的な力を持つ巨人たちと。」「同じ人間や、かつての仲間たちと。」

エレン「自分で自分の背中を押したやつの密地獄は別だ。その地獄の先にあるなにかを見ている。それは希望かもしれないし、さらなつ地獄かもしれない。それは、進み続けたものにしかわからない。」

(オープニングタイトル)

ナレーション「調査兵団・兵士 エレン・イェーガー。巨人を駆逐することを指名に持ち、己の命を削る。」「さらに自らが巨人になるという特別な力を託され、幾度も人類の危機を救ってきた。」

エレン「よろしくお願いします。」

ナレーション「世界の鍵を握るエレンに史上初となる独占インタビューが許された。」「明かされた心の内。」

エレン「絶対に信じていたものから何度も裏切られたりして、そのたびに自分自身が分からなくなっていったように思います。」

映像「命も 夢も どうしてオレたちは奪われる?」「一匹残らず駆逐してやる。」

ナレーション「終わりの見えない、戦いの螺旋。男は、何を求めて戦い続けているのか。」

映像「戦いたかった。オレは戦いたかったんです。」

ナレーション「アニメヒーローインタビュー、エレン・イェーガースペシャル」

(オープニングタイトル終わり)

取材者「どうぞこちらに。」

エレン「よろしくお願いします。」

ナレーション「エレン・イェーガー。いったい、どんな男なのか。」

エレン「この後に、ちょっと予定がありまして。時間もないので始めましょう。」

取材者「はい。では早速。」

取材者「今日はお休みと伺いましたが、お休みの日は普段どんなふうに過ごされることが多いですか?」

エレン「最近は…もっぱらサウナですね。ととのえます。」「もともとは風呂に入るのも面倒くさくて、自分にとっては汚れを落とす作業でしかなかっったんですけど、リヴァイ兵長と出会ってからは汚いまま過ごすなんてことはできなくなりまして。」

ナレーション「エレンの上司、リヴァイ・アッカーマン。人類最強の兵士であり、極度のきれい好きでもある。」

(映像)

エレン「で、そのうち、ただ風呂に入るだけじゃつなんないなってなったときにサウナの存在を知って。もう、人生観変わりましたね。こんなに気持ちいい行為がこの世にあったんだなっていう。」「熱さと冷たさ。それぞれの極限状態を交互に感じることで生きていることを実感できるんです。」「そして。ととのう。」

取材者「なるほど。」「生きてる、というのは…」

エレン「正直、ガキの頃のオレは巨人を駆逐することでしかなかなか”生の実感”が湧かないことがあったんですよ。復讐心と、その達成感。そんな生きるか死ぬかのギリギリのやりとりでしか。だから周りからはよく「死に急ぎ野郎」なんて言われてました。」

(映像)

ナレーション「エレンの日常は、生と死が紙一重で交錯する修羅場の連続。人間よりも圧倒的な強さを誇る巨人の恐怖に、どう挑むのか。」

(映像)

ナレーション「大切にしている、流儀がある。」

 

エレン・イェーガーさん休日はサウナでととのう NHKプロフェッショナル

 

エレン「自分はこうあるべきだという信念を持って戦います。だから、まぁ結局はいわゆる自分との戦いってやつなんでしょうね、何事も。」「ビビリなんですよ。オレは。だから、そんなひよってる自分に、ある種、宣戦布告する感じですね。」「何かが欲しけりゃ、自分でつかみ取れと。ビビったままじゃなんも変わんねえぞと。オレは戦うたびに強くなってやる。そう思って生きてます。」

 

調査兵団・兵士長 リヴァイさん

リヴァイ「『調査兵団に入ってとにかく巨人をぶっ殺したい。』エレンと初めてあったとき、そう言ってたな。それがあいつの根っこにあるんだろう。まあ…なんにしてもエレンの本質は、昔から変わっちゃいねえ。あいつは本物の化け物だ。」「どんなに力で抑えようとも、どんな檻に閉じ込めようとも、あいつの意識を服従させることは誰にもできない。」

 

調査兵団・兵士 アルミン・アルレルトさん

アルミン「何かを変えることのできる人間がいるとすれば、その人は、大事なものを捨てることができる人だ。僕は、そう確信しています。」「そして、エレンには、それができる。それも、何の躊躇もなく。」

 

ナレーション(貫地谷しほり)「エレンさんが生まれたのは、ウォール・マリア シガンシナ区。周囲を巨大な壁に囲まれた街で育った。」

エレン「ガキのころは、まっすぐな子だったと思いますよ。活発で、生意気で、意地っ張りで。とにかく調査兵団に入りたかった。そればっかりでしたね。」「で、それを言うたびに母さんからたしなめられて。」

(映像)

エレン「はい…。母さんのことが好きでした。それだけは変わりませんねんね。感謝してます。本当に。」「親孝行ってやつ、してみたかったなあ。」

ナレーション「エレンさんは、なぜ巨人と戦う人生を選んだのか。原点は10歳の時。」「予想だにしない出来事が起きた。」

(映像)

ナレーション「最愛の母を、失った。」

エレン「あのとき。あのときの悔しさ。不甲斐なさ。自分への失望感は、一生忘れられません。もう怒りしかなかったですね。」

(映像)

ナレーション「強い復讐心を胸に、エレンさんは訓練兵団に入団。」「だが、またしても思いもしないことが起きた。」

(映像)

ナレーション「巨人に食べられそうになった仲間(※アルミン)を助けようとした時のことだった。

(映像)

ナレーション「巨人に食べられたあと体に不思議なことが起きた。」

エレン「最初は、やっぱり怖かったです。なんてったって、巨人に喰われてしまったところから始まってるわけですから。急に目の前が真っ暗になって、気づけばでっけえ胃袋の中であがいてて。そのあとはもう、何がなんだか分かんないうちに巨人と組み合ってて。……。アイツらとおんなじサイズで。」

ナレーション「巨人化する力が。」「覚醒した。」

ナレーション「その特殊能力は、巨人から土地を奪還するための鍵になるかもしれない。

(映像)

ナレーション「そして、戦いの果てにたどり着いた壁の外の世界。」

(映像)

ナレーション「しかし、そこにあったのは、人類同士が争い合う現実だった。」「傷つき、裏切られ、それでもエレンさんが進み続ける理由。」「幼なじみの仲間に話を聞いた。」

ナレーション「ミカサ・アッカーマンさん。幼い頃、エレンさんに命を救われた時にもらったマフラーを今も持ち続けている。」

(映像)

 

ミカサ・アッカーマンさん

ミカサ「お母さんの敵。仲間を守るため。巨人に奪われ続けてきたものを取り戻すため。人類のため…。いろんな理由がある。でも、エレンが本当には何を求めているのかそれは誰にも分からない。そんなような気がします。」

 

アルミンさん

アルミン「エレンは、何を求めているのか。『自由』じゃないでしょうか。ただ、エレンの考える『自由』がどんなものなのか、それは分かりません。」

(映像)

 

エレン・イェーガーさん休日はサウナでととのう NHKプロフェッショナル

 

エレン「だから、オレはやるんです。もういいんです。十分、人としての喜びをもらったから。もう、人の道には戻らない…。戻れない。オレは、悪魔になるんです。それで、終わりなんです。」「ふぅ…はい。」

 

徹底討論 ヤツらの倒し方

エレン・イェーガーさん休日はサウナでととのう NHKプロフェッショナル

 

同僚ミカサさん「倒し方はひとつ。後頭部から、うなじにかけて、縦1m、横10cm、そこを削ぐ。

エレン「大切なのは、正確性。」

上司リヴァイさん「だからと言って、無駄に時間をかけるな。」

エレン「ヤツらは手ごわい上にそこらじゅうにいるから、ひとつずつ確実に片づけるんだ。」

リヴァイ「チーム戦だな。まあ、オレは1人でもかまわんがな。」

ミカサ「通常種に奇行種、それから9つの巨人。それぞれに対してすべて戦い方が違う。

エレン「そう…。ヤツらにはいろんな種類がある。。油汚れや水アカ、石鹸カス、それぞれの対処のしかたを覚えないといけない。」

リヴァイ「そうだ。『酸性』『中性』『アルカリ性』の洗剤を使い分けろ。どの汚れに、どの洗剤が有効か頭にたたき込め。」

 

最強の武器は?

ミカサ「…はい?あ…。やっぱり、雷槍。でも、私はブレードのほうが。」

エレン「わたし。」

リヴァイ「雑巾。」

ミカサ「さっきから何を…。」

(掃除の映像)

リヴァイ「さあ、そろそろ始めるか。」

エレン「はい!ヤツらを倒しに行きましょう。」

ミカサ「はぁ…。」

 

なぜ、戦い続けるのか

ナレーション(橋本さとし)「世界の命運を握る存在となったエレンに聞いておきたいことがあった。なぜ、戦い続けるのか。」

エレン「戦い続けなきゃ生きていけない環境にいましたから。誰だって巨人に喰われたくないので巨人を殺すことに疑問なんでありませんでいした。でも、敵は、実際のところ、感情のない化け物なんかじゃなくてオレたちと同じ人間でした。」「それでも強い殺意にさらされて、生命の自由が危ぶまれる状況に変わりはなかったわけですから、そんなの、到底受け入れられず拒んだまでです。」

(エンドタイトル)

エレン「なかったんです。戦う以外の選択肢は、何も。」

 

自由とは、何か。

ナレーション「最後に問うた。自由とは、何か。」

エレン「人々の命や日常生活が脅かされることなく、継続していくことだと思います。オレが望んだのは、それだけです。」「ただ木陰で昼寝ができればそれだけでよかった。それだけでした。」「いや。違います。オレは。オレには。それだけじゃ足りなかった。見たい景色がありました。そのために、戦いたかった。オレは、戦いたかったんです。

 

プロフェッショナルとは、

エレン・イェーガーさん休日はサウナでととのう NHKプロフェッショナル

 

エレン「やりきること。じゃないですか。何があっても、何を言われようとも。」「すみません。オレにそんなこと語る資格があるのか分かりません。でも。それでも、成功させなければならないんです。オレは、やらなくちゃいけないんです。ならなくちゃいけないんです。プロフェッショナルに。」「すみません。そろそろ時間なので。時間、ないので。」

取材者「貴重なお話、ありがとうございました。」

エレン「いえ、こちらこそ。」

エレン「あ…。じゃあ。」

 

 

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