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中居正広氏とフジテレビ問題でFNS歌謡祭とTBS音楽の日の放送はどうなるのか

中居正広氏とフジテレビ問題でFNS歌謡祭とTBS音楽の日の放送はどうなるのか

 

中居正広氏とフジテレビ問題の経緯

024年12月、女性セブン(12月19日発売号)、週刊文春(12月26日発売号)が中居正広氏とある女性との間にトラブルが発生し、解決金が支払われたという記事が報じられた。この報道を受け、中居氏がレギュラー出演しているテレビ・ラジオ番組の休止、差し替えとなり、その後、週刊誌の続報などで、中居氏のトラブルにフジテレビ幹部社員の関与が疑われる内容の記事が出たことで、NHKと民放各局を巻き込んだ放送業界の企業コンプライアンス問題へと発展した。

年が明け、2025年1月7日、日本テレビは中居氏が笑福亭鶴瓶さんと共に司会を務める『ザ!世界仰天ニュース』で、中居氏の出演シーンを全面的にカットして放送。日本テレビは「総合的な判断。本人からも同様の申し出を受けた」と説明した。翌日1月8日には、フジテレビが『だれかtoなかい』の放送を当面の間休止すると発表。同局は「中居氏に関する報道を受け、状況を総合的に検討した結果」であるとコメントした。

1月9日、中居氏は同氏の公式サイトに、これまでのトラブル報道についての内容を認め、謝罪文を掲出した。

謝罪文の全文は以下の通り。

 この度は、皆さまにご迷惑をお掛けしていること、大変申し訳なく思っております。

 報道内容においては、事実と異なるものもあり、相手さま、関係各所の皆さまに対しては大変心苦しく思っています。

 これまで先方との解決に伴う守秘義務があることから、私から発信することを控えておりました。

 私自身の活動においても、ご苦労を強いてしまっていることが多々発生しておりますので、私の話せる範囲内でお伝えさせていただきたいと思います。

 トラブルがあったことは事実です。

 そして、双方の代理人を通じて示談が成立し、解決していることも事実です。

 解決に至っては、相手さまのご提案に対して真摯(しんし)に向き合い、対応してきたつもりです。

 このトラブルにおいて、一部報道にあるような手を上げる等の暴力は一切ございません。

 なお、示談が成立したことにより、今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました。

 また、このトラブルについては、当事者以外の者の関与といった事実はございません。

 最後になります。

 今回のトラブルはすべて私の至らなさによるものであります。

 この件につきましては、相手さまがいることです。

 どうか本件について、臆測での詮索・誹謗(ひぼう)中傷等をすることのないよう、切にお願い申し上げます。

 皆々さまに心よりお詫びを申し上げます。

 誠に申し訳ございませんでした。

 

この声明文の「なお、示談が成立したことにより、今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました。」という文言がSNS上などで批判され、テレビ各局も相次いで取り上げる中、14日、フジ・メディア・ホールディングスの株式を7%以上保有する主要株主であるダルトンインベストメンツが「中居正広氏を巡る騒動を受け第三者委員会の調査を求める書簡を送付した」と発表した。

守秘義務契約のある示談で、中居氏と女性の間で起こったとされる問題の真相がわからず、さらにフジテレビの対応・動向も不明瞭な状態が続き、民放各局が相次いで中居氏の出演するレギュラー放送番組などの降板、中止、打ち切りへと舵を切る。

1月15日、日本テレビ『ザ!世界仰天ニュース』から中居氏の降板を発表

1月20日、TBSが『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』の放送打ち切りを発表。同局の『THE MC3』から中居氏の降板を発表

1月21日、ニッポン放送がラジオ番組『中居正広 ON&ON AIR』の放送打ち切りを発表

1月22日、テレビ朝日が『中居正広の土曜日な会』の放送打ち切りを発表。同日、フジテレビが『だれかtoなかい』の放送打ち切りを発表

この時点で、中居氏のレギュラー放送番組は、すべてが終了、または、降板となった。

そして1月23日、中居氏は自身の有料ファンクラブサイトと公式サイトで芸能活動からの引退を表明した。

以下、引退発表の全文。

少しでもお先にご報告

私、中居正広は本日をもって芸能活動を引退いたします。
なお、会社であります【(株)のんびりなかい】につきましては、
残りの様々な手続き、業務が終わり次第、廃業することと致します。

ご報告にあたりましては、
私がこれまで携わらせて頂きましたテレビ各局、ラジオ、スポンサーの皆さまとの、
打ち切り・降板・中止・契約解除等に関する会談がすべて終了し、
本日となった次第でございます。

これで、あらゆる責任を果たしたとは全く思っておりません。
今後も、様々な問題に対して真摯に向き合い、誠意をもって対応して参ります。
全責任は私個人にあります。

これだけたくさんの方々にご迷惑をおかけし、損失を被らせてしまったことに
申し訳ない思いでなりません。

そして、
改めて、相手さまに対しても心より謝罪申し上げます。

関係者各位の皆さま、ご迷惑をおかけしました。
重ねて、お詫び申し上げます。
大変、大変申し訳ございませんでした。

ヅラの皆さん
一度でも、
会いたかった
会えなかった
会わなきゃだめだった
こんなお別れで、本当に、本当に、ごめんなさい。

さようなら…。

2025年1月23日
中居正広

※同日、中居氏の公式Xは削除
※(株)のんびりなかいの公式サイト(https://www.nonbirinakai.co.jp/)は、1月26日時点で未閉鎖、各コンテツが閲覧・利用可能
※有料会員サイト中居ヅラ(https://anokotachi.com/)は、1月26日時点でトップページ未閉鎖

 

中居氏の引退発表を受けて、同日、SMAPの元メンバー、稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さんの3人が連名でコメントを発表。

「突然のことでまだ心の整理がついておらず、言葉が見つかりません。
現在お話さしあげることは控えさせていただければと思います。
ご理解いただきたくお願い申し上げます」

 

同じくSMAPの元メンバーの木村拓哉さんは、中居氏の一連のドラブルについて一切言及せず沈黙を守っている。ただ、中居氏の引退発表後の1月23日に初めて、木村さん自身のインスタグラムのストーリーを更新、夕日を背景にした愛犬の写真と共に「10000歩の出動!」「夕陽に口づけ」とつづった投稿をし、SNS上では「こんな時にも通常運転」「別世界生きてる?」などと話題となった。

 

港社長の会見と相次ぐCM差し止め

フジテレビは中居氏が芸能界引退を発表するおよそ1週間前の1月17日午後3時からフジテレビ本社10階の大会議室で、港浩一社長が記者会見を開いた。しかし、記者会見は新聞社などが加盟する記者クラブの要請に基づいて開催、記者クラブ未加入である週刊誌やネットメディア、海外メディアなどの記者会見の参加や撮影を認めなかったため、19社33人の出席に留まり、さらに、中継や動画撮影は禁止され、写真撮影も会見冒頭のみの許可、会見内容の情報解禁は会見終了後とされ、テレビ局を含む報道各社や世論からは「報道機関としての責任を果たしていない」と批判が集中することとなった。この会見では、2023年6月時点で事態を把握していたこと、第三者の弁護士を中心とした調査委員会を立ち上げること、港社長自身も調査対象に含まれていることなどが明らかにされたが、設置する調査委員会の第三者委員の構成が日弁連の推奨する要件を満たしていないとして批判に追い打ちをかける結果となった。

これらの批判を受ける形で、フジテレビと親会社のフジ・メディア・ホールディングスは23日、臨時取締役会を開催し、独立した第三者委員会の設置とフジテレビは1月27日の午後にオープンな形式で改めて記者会見を行うと発表するに至る。

1月17日の会見翌日の18日、トヨタ、日本生命、明治安田生命などがフジテレビのCM差し止めを発表、20日までには花王、NTT東日本、資生堂、セブンイレブン、第一生命、日産自動車、日本マクドナルドなどが相次いでCMの差し止めを公表しました。CM差し止めは22日時点で75社、以降、TOTO、九電工、九州電力、ジャパネット、JR九州、四国電力、北海道電力、よつ葉乳業、再春館製薬所、西日本シティ銀行、ヨークベニマルなど地方企業にも波及、25日までに差し止めを表明した企業は100社を超えたとされる。

また、自治体や官公庁では、総務省消防庁が全国の消防本部等に配布する予定だったドラマ『119エマージェンシーコール』と連携した消防のPRポスターの配布の中止を下命、央競馬会(JRA・農水省主管特殊法人)は制作協力を行っている中央競馬中継を含む5番組のCM出稿を差し止め、千葉県の広報番組『千葉の贈り物〜まごころ配達人〜』の提供クレジット削除、大阪・関西万博はフジテレビへのCM出稿を一旦停止した。

フジテレビで長年にわたって放送されてきた一社提供の『くいしん坊!万才』は放送見合わせを要請、ギネスブックにも認定されている長寿音楽番組の『ミュージックフェア』では塩野義製薬が番組内の社名表記削除を要請。NTTは1月23日、フジテレビのCM枠の新規契約をグループ全社で当面見送ると発表、現在契約中のCMだけではなく、次年度の契約についても今後影響が拡大する可能性が高まっている。

このように、フジテレビを取り巻く環境は、非常に厳しい状況に陥っています。フジテレビの2024年3月期のCM収入は1473億円(月平均約122億円)で、2025年4月~9月期はほとんどのスポンサーが態度保留、最大300億円ほどの減収になるのではないかという試算も報じられた。

 

フジテレビ FNS歌謡祭2024

FNS歌謡祭2024 フジテレビ公式ホームページから

 

FNS歌謡祭2025のゆくえ

FNS歌謡祭は、フジテレビが制作する大型音楽番組で相葉雅紀さんが長く司会を務められています。メイン放送は毎年12月の「冬」、他に「春」と「夏」の放送があります。FNS歌謡祭夏は2015年のFNSうたの夏まつり以降毎年開催、春は2022年を最後に放送されていません。FNS歌謡祭は、紅白歌合戦、レコ大、ベストアーティスト、MステSUPER LIVE、CDTVライブ!ライブ!クリスマスSP、年忘れにっぽんの歌などテレビ各局が年末に放送する大型音楽番組の中でも視聴率・人気共に高いフジテレビの看板番組のひとつとなっています。

昨年、2024年のFNS歌謡祭は、12月4日(水)と11日(水)の2週連続で、計8時間を超える放送が行われました。

番組内では、SUNTORY、味の素、花王、Panasonic、ヤクルト、タカラトミー、HONDA、JCB、キリン、ライオン、REGZA、au KDDI、REGZA、コーセー、エステー、UNIVERSAL MUSIC GROUP、proactiv、ニトリ、UR賃貸住宅、JT、楽天、イオン、第一興商、大正製薬、はごろもフーズ、ReFa、木下グループ、積水ハウス、ホットスタッフ、P&G、Spotify、バンダイナムコ 、松竹、明治、東京中央美容外科、インディード、第一三共ヘルスケア、湖池屋、出光興産、UQ mobile、ロッテ、airbnb、ウォルト・ディズニー・ジャパン、任天堂、霧島酒造、ガンホーなどのCMが放送され、これらスポンサー収入は莫大な金額となっていることは想像に難くありません。

今年12月のFNS歌謡祭冬までにフジテレビがどのような状況にあるのか、スポンサーは付いてくれるのかで放送の有無は大きく左右されそうです。少なくとも、現時点ではFNS歌謡祭2025夏の放送は、非常に厳しい状況にあると予想されます。

 

音楽の日2025の番組存続と中居正広さんに代わる司会者

音楽の日は、2011年3月11日に発生した東日本大震災へのエールとして「一つになって歌の力でニッポンを元気づける」をコンセプトに同年7月16日に第1回目が放送されたTBSの大型音楽番組です。以来、昨年までに15回を数え、夏の大型音楽番組と定着しています。放送は7月の土曜日で、およそ8時間の放送が行われます。

司会は、第1回の放送から昨年放送の「音楽の日2024」まで、15回連続で中居正広氏と安住紳一郎TBSアナウンサーがコンビで務められてきました。

『中居正広の金曜日のスマたちへ』は、大竹しのぶさんが長らくレギュラー出演され、安住紳一郎アナが進行アシスタントを担っていました(安住アナは他番組への出演など多忙で2008年以降金スマへの出演が減少。2022年には中居氏の体調不良により代理MCを務めた)。

今回の中居氏とフジテレビの一連の問題で、TBSは2001年10月19日から23年2か月にわたって続いた『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』の放送打ち切り、さらに2024年10月21日から放送が開始された『THE MC3』から中居氏が降板することを発表しています。

音楽の日といえば、中居&安住のコンビ司会が定着しています。TBSとしては、中居氏の印象が強い「音楽の日」の番組名をそのまま踏襲するか、あるいは、15年の歴史に終止符を打ち、音楽の日そのものを終了させ新たな音楽番組を誕生させるのか注目されます。

「音楽の日」の番組タイトルを存続させる場合、中居氏の代わりとなる司会者に誰を抜擢するのか、または、看板アナウンサーの安住紳一郎アナ1本で放送するのか、そして、音楽の日を終了させるなら、安住アナの継続と新たな司会者の擁立はどうなるのか、今後の展開を見守りたいと思います。

 

TBS 音楽の日 2024

音楽の日2024 TBS公式ホームページから

 

Akisa.S

 

音楽番組・歌番組 日本で放送されている主な音楽番組一覧

 

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