昭和天皇三十年式年祭 山陵の儀
昭和天皇の崩御から30年となる1月7日、天皇皇后両陛下は、昭和天皇が埋葬されている東京都八王子市の武蔵野陵(むさしののみささぎ)で、30年式年祭の「山陵の儀(さんりょうのぎ)」に臨まれた。
儀式には、天皇皇后両陛下と秋篠宮ご夫妻ら皇族のほか、安倍晋三首相ら三権の長など約80人が参列した。
天皇陛下は米や酒などを供えた陵の前で玉串をささげて拝礼。
昭和天皇をしのぶ「御告文(おつげぶみ)」を読み上げた。
宮内庁によると、「国家、国民をお守りくださり、さらに繁栄させていただきますよう、お願い申し上げます」との意味が込められているという。
この後、皇后さまも拝礼した。
また、皇室の祖先を祭る皇居・宮中三殿の皇霊殿(こうれいでん)で行われた30年式年祭では、天皇皇后両陛下の御名代として皇太子ご夫妻がご拝礼。
療養中の皇太子妃雅子さまが、心身を清める潔斎をへて、皇室の伝統的な装束を身につける宮中祭祀(さいし)に臨まれるのは、平成28年4月の神武天皇二千六百年式年祭以来約3年ぶり。
昭和天皇の逝去に伴って即位した天皇陛下の在位は30年を迎え、政府は在位30年記念式典を2月24日に国立劇場(東京都千代田区)で催すことを決めている。
昭和天皇 武蔵野陵(しょうわてんのう むさしののみささぎ)
■代数
124代
■天皇名
昭和天皇
■御父
大正天皇
■御母
貞明皇后
■御陵名
武蔵野陵(むさしののみささぎ)
■陵形
上円下方
■所在地
東京都八王子市長房町 武蔵陵墓地
■交通機関
JR・京王「高尾」北口下車 北東へ1.5km
■陵印保管場所
多摩陵墓監区事務所
※本記事内の武蔵野陵に対応する括弧内の読みかたの表記に誤りがありました。
誤:むさしののみさぎ → 正:むさしののみささぎ
平成31年3月10日、読者の方よりご指摘があり修正いたしました。これまでに本記事をご参照くださいましたみなさまにお知らせさせていただくとともに、お詫び申し上げます。(記:編著担当)
武蔵野陵 周辺図
武蔵野陵詳細図
武蔵野陵 行き方
■参観時間
午前9時から午後4時
※参入は午後3時30分まで
※年間を通じて参拝可能。ただし、皇室行事等のため参拝が休止されることがあります
式年祭
決められた期間ごとに行われる祭祀のこと。神社の祭礼や祖先祭祀においてみられる祭祀形態。
宮中祭祀における式年は、3年・5年・10年・20年・30年・40年・50年・以後100年ごとと規定され、祖先祭祀に関するものにおいて式年の大祭と小祭が神式で行われる。
由緒ある神社の一部では、定まった年ごとに行われる祭祀がある。
例えば、鹿島神宮、香取神宮では12年ごとの午の年に、盛大な神幸祭を行 うこととなっている。
また、諏訪大社でも7年ごと(開催年を1年と数えるため実際の周期は6年)の寅もしくは申の年に御柱祭が行われることは有名である。これらの祭りは毎年行われる祭り(例祭)よりも大規模であることが多く、重視されている祭りといえる。
神社には、一定の年ごとに社殿の建て直し(式年遷宮)をするところがみられるが、社殿の建て直し自体が祭祀の一環だという見方をしたとき、これも式年祭の一種と言える。
最も有名なのは伊勢神宮式年遷宮で、20年ごとに全ての社殿を建て直し、大規模な祭礼を行うことになっている。
あまり注目されないが、諏訪大社の御柱祭もその儀礼の中には社殿の建て直しが含まれており、御柱祭も式年遷宮に含めることができる。なお、式年祭は大社に限らず、氏神レベルでの神社においても、その神社独自の由緒に基づいて、式年祭を行っているところがある。
一方、祖先祭祀においても、決められた年ごとに祭祀を行うことが多い。一般に仏教行事として行われる年忌では、1年忌・3年忌・7年忌・13年忌・17年忌・23年忌などと特定の年(等間隔ではない)に、通常の祭祀とは違った特別な祭祀が行われる。