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台風の定義 大きさと強さの分類・勢力の表現

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台風の定義

 熱帯の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼びますが、このうち北西太平洋(赤道より北で東経180度より西の領域)または南シナ海に存在し、なおかつ低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のものを「台風」と呼びます。

 台風は上空の風に流されて動き、また地球の自転の影響で北へ向かう性質を持っています。そのため、通常東風が吹いている低緯度では台風は西へ流されながら次第に北上し、上空で強い西風(偏西風)が吹いている中・高緯度に来ると台風は速い速度で北東へ進みます。

(出典:気象庁)

※定義される最大風速の実数値は、17.2m/s である。

 

台風とされるための位置

北西太平洋の「東経100度線から180度経線(国際日付変更線)までの北半球」に中心が存在すること。

海域としては北太平洋西部(北西太平洋)およびその付属の海である南シナ海、東シナ海、フィリピン海、日本海などにあたり、陸域としては東アジア、東南アジア、ミクロネシアの一部を含む。

 

 

サイクロンとハリケーン

最大風速が17.2m/s以上の熱帯低気圧のうち、北インド洋と南太平洋に位置するものを「サイクロン」、北大西洋と北東太平洋の熱帯低気圧のうち最大風速が32.7m/s以上のものを「ハリケーン」と呼称する。

これらの熱帯低気圧が、その観測区分区域を越えた場合に、呼称が変わる。

発生位置とその後の移動によって、観測区分が変遷した熱帯低気圧の状態を「越境」という(※関連記事参照)。

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1972年に発生した台風29号はマレー半島を通過後、ベンガル湾に抜けたが、勢力を維持し続けたため「サイクロン」となった。基準となる勢力を維持しない場合には、温帯低気圧となる。

 

 

熱帯低気圧

世界気象機関の国際分類では地理的な領域に関係なく、熱帯低気圧を最大風速を基に分類している。

この分類は勢力によって、トロピカル・デプレッション、トロピカル・ストーム、シビア・トロピカル・ストーム、タイフーンの4段階がある。

※この分類におけるタイフーンと台風は同意ではない。
※熱帯低気圧については、別項とする。

 

 

台風とされるための勢力

低気圧域内の「中心付近の最大風速(10分間の平均)17.2m/s以上」のもの。

台風の位置や中心気圧、最大風速、大きさの数値は過去の観測データの蓄積により確立されたドボラック法に基づいて衛星画像から推定し、地上や船舶で風速が観測できた場合にその都度修正していく方法を採っているため、「中心付近の最大風速」は必ずしも実測値ではない。例えば洋上にある台風中心の風速を実測するには航空機が必要となり、実際に1987年(昭和62年)までは米軍が航空機観測を実施していた時期もあるが、観測員や設備・運用等の負担が大きく、現在日本では航空機による観測は恒常的な手段としては行われていない(学術研究目的での観測例はある)。

(出典:ウィキペディア)

 

 

地域特別気象中枢

地域特別気象中枢(Regional Specialized Meteorological Centre)は、世界気象監視計画(WWW)の一環として、世界気象機関(WMO)の会合にて合意を得て指定された気象機関の総称で、世界気象機関の特定のプログラムに関連した気象注意報・警報等の気象情報を作成・収集・配信する任務を委託されている。

 

日本国気象庁

我が国の気象庁は、世界気象機関 (WMO) の世界気象監視計画 (WWW) により、北西太平洋海域の台風監視活動を行う中枢として、「熱帯低気圧プログラムに参画する地域特別気象中枢」(RSMC for TCP) に指定されている。

北西太平洋及び南シナ海域の台風については、気象庁の判断が国際的に公式な見解とされる。同庁の担当機関名は「太平洋台風センター」。

 

 

台風の階級

強さの分類

最大風速 (m/s)最大風速 (knot)国際分類日本の分類
(旧)(新)
<17.2≦33Tropical Depression (TD)弱い熱帯低気圧熱帯低気圧
17.2 - 24.534 - 47Tropical Storm (TS)台風弱い台風(特になし)
24.6 - 32.648 - 63Severe Tropical Storm (STS)並の強さ
32.7 - 43.764 - 84Typhoon (T又はTY)強い強い
43.7 - 54.085 - 104非常に強い非常に強い
>54.0≧105猛烈な猛烈な

強さの分類は、米軍の合同台風警報センター (JTWC) では1分間平均の最大風速、日本の気象庁では10分間平均の最大風速によって分類している。

分類基準が異なるため、同じ台風の同時刻の観測において、米軍の合同台風警報センターがtyphoonの強度に達したと判断しても、日本では「強い」台風の基準に達せず「並の強さ」と判断する場合も生じる(1分間平均風速は10分間平均風速よりも1.2〜1.3倍ほど大きく出る傾向にあるとされる)。

※台風のうち、風速がおよそ70m/sを超えるものを『スーパー台風』という。

 

大きさの分類

日本の気象庁では、「強さ」の分類に併せて、「大きさ」の分類も行っている。

強さの分類は、風速15m/s以上の強風域の範囲による。風速15m/s以上となっている範囲の半径が非対称の場合は、平均値をとる。

風速15m/s以上の半径大きさの階級
(旧)(新)
<200kmごく小さい(特になし)
200 - 300km小型(小さい)
300 - 500km中型(並の大きさ)
500 - 800km大型(大きい)大型(大きい)
≧800km超大型(非常に大きい)超大型(非常に大きい)

 

強風域

強風域とは、台風または発達した低気圧の周囲において15m/s以上の平均風速を有している領域・範囲。通常、その範囲を円で示す。

実際に吹いている風の平均風速が15m/sに達していなくても、地形などの影響がないと仮定して、平均風速が15m/s以上に達する可能性がある場合も気象庁では強風域と判断している。

 

暴風域

暴風域とは、台風の周辺で、平均風速が25m/s以上の風が吹いているか、地形の影響などがない場合に、吹く可能性のある領域・範囲。通常、その範囲を円で示す。

 

 

台風の勢力の表現

かつては、台風の「強さ」と「大きさ」を組み合わせることで、勢力の表現を行っていた。

しかし、台風によっては『ごく小さく弱い台風』と表現される場合も出てくる。

『ごく小さく弱い台風』という表現では、台風の影響の危険性を「大したことはないだろう」と過小に判断してしまうことで、人命に関わる被害に遭遇する人が出る恐れがある。

 

玄倉川水難事故

1999年8月14日、神奈川県足柄上郡山北町の玄倉川で発生した水難事故では、8月13日に紀伊半島の南海上で発生した熱帯低気圧が、オホーツク海で発達、高気圧に押される形で速度が遅くなり、東北から九州にかけての広い範囲で、局地的な豪雨を発生させた。

同14日には関東地方南岸へと進み、埼玉県秩父の大滝村で13日の降り始めから14日夜までに420mm、神奈川県相模原市などでも300mmを超える降雨量を記録した。

この雨の影響で、神奈川県足柄上郡山北町の玄倉川の中洲でキャンプをしていた横浜市内の会社員家族とその友人ら18人が川の増水で流され、子供4名を含む計13名が死亡する痛ましい事故が発生した。

玄倉川の水難事故を契機として、危険性を過小評価した人が災害に遭遇する可能性をできる限り排除するべきであるという防災の観点から、気象庁では台風の表現を変更するに至った。

これは、2000年6月1日から実施された。前項の「強さの分類」と「大きさの分類」図表における、(旧)と(新)の項目がそれで、小型・中型や並の強さ等の表現を取りやめ、これらを「台風」という表現のみとした。

 

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