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【夏休みの観測に】火星大接近 15年ぶり 6月下旬から9月上旬までマイナス2等級以上の輝きを見られる

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火星の大接近

夜空に赤く輝く火星は、直径が地球の半分ほど。

地球のひとつ外側の公転軌道を周っていて、およそ2年2ヶ月毎に地球に近づきます。

 

15年ぶりの大接近

前回の大接近は15年前の2003年、このときは地球と火星が5,576万キロメートルまで接近しました。

今回の大接近は、7月31日で距離は5,759万キロメートルまで近づきます。

2018年の地球と火星の位置関係では、1月1日に3億キロメートル近く離れています。その後、徐々に地球に近づき、7月31日16時50分に最接近します。

ただ、16時50分の日本の空には、まだ、火星はのぼってきていませんので、もう少し後の時間に観察が可能となります。

 

星の明るさ

星の明るさは、等級で表されます。

基準は、こと座のベガで、0等星です。夏の大三角形で有名な星です。

この0等星から暗くなるにつれて、1等星 → 2等星 → 3等星 となります。

このような分類は、紀元前150年頃、ギリシャの天文学者ヒッパルコスがはじめました。
夜空でもっとも明るい星たちを1等星、次に明るい星を2等星、そして眼で見えるいちばん暗い星を6等星と名付けました。
1等星の数は現在全部で21個、1等星から6等星までの星の数は全部で約8600個あります。ただし、これは空全体の数ですから、地平線より上半分しか見えないことを考えると、肉眼で見える星の数は約4300個ということになります。さらに、実際の空では地平線近くの星はもやなどであまりよく見ることができません。ですから、一度に見える星の数はおよそ3000個くらいということになります。

現代では、観測装置や技術の発達などで、より精密に分類が行われ、0等星よりも明るい星には「マイナス」を付けて表すようになりました。

0等星から明るくなるにつれて、−1等星 → −2等星 → −3等星 となります。

 

今回の最接近時の明るさは マイナス2.8等

今回の大接近では、視直径(見える大きさ)24秒角(月の視直径の約77分の1)を超え、明るさはマイナス2.8等まで明るくなります。

この明るさは木星よりも高い数値です。

 

観察期間は6月下旬から9月上旬まで

火星の大接近だけではなく、さまざまな星空のできごとはとかくその当日、その時間だけを強調したニュース報道などになりやすい傾向がありますが、火星大接近では7月31日に「最も近づく」ということで、この日を過ぎると遠くに離れていってしまうわけではありません。

最接近前後の数週間は、地球と火星は、ほぼ同じ方向に公転を続けていますので、接近状態が続くのです。

今回の火星大接近では、おおむね6月下旬から、9月上旬まで「マイナス2等」を超える明るさを維持していますので、長い期間に渡って、観測することができます。

 

8月以降 観測がしやすい環境に

今回、火星が最接近するのは7月31日ですが、8月に入ると、日を追う毎に火星が上ってくる時刻が早くなってきますので、宵の空での観察もしやすくなります。

 

夏休みの自由研究に

15年ぶりの火星大接近ですが、最接近する当日だけではなく長い期間に渡って観測が可能で、ちょうど今回は夏休みの期間となっていますので、自由研究に最適な課題のひとつになるでしょう。

 

天体望遠鏡がありません

天体の観測だから、天体望遠鏡が必ず必要というわけではありません。

天体に限らず、科学の世界で何かを観測・観察するときの約束事のひとつとして『定点・定時』の原則があります。つまり、同じ場所(環境)で、同じ時刻に、対象の状態を観測・観察する、ことです。

例えば、自分の家のどこかの窓から火星が見えるのであれば、その窓に、昔学校などで使われていたOHP(オーバーヘッドプロジェクター)の透明シートのようなビニールシートを窓にマスキングテープなどで貼り付けます。

貼り付ける際は、見る角度が一定である必要を考慮して、自分が立つ位置を決めて(立つ位置にもマスキングテープなどで印をしておく)、その正面、目の高さくらいになるように貼ります。そうすることで、見る角度の変化で、星の位置が変わらないようにします。

このような準備ができたら、毎日午後8時半に、あらかじめ決めた「立つ位置」に立って、正面の透明シートに見える火星を上から塗るように、マジックペンなどで印をつけます。一日で、火星が移動する距離が小さく見えているかもしれませんので、ペンは2色用意して、毎日交互に使うことで、わかりやすくなります。

窓に貼ったシートや立つ位置の印、実際に観測して記録をつけている様子などを写真に撮っておきましょう。

透明シートに印を付けたら、ノートに観察日・時間・天気(朝からの天気の移り変わりも書いておくと研究内容が良くなりますね)気温・火星の見た目(色や明るさの具合を自分の目で見た感想)・他の星の様子や空の色など、自分で分かる範囲でいろいろな項目を毎日継続して記録すると、とても良い研究になります。

 

旅行などで観測できない

家族で旅行に行ったり、うっかり忘れてしまったりしても、そこで観測を止めてしまわないことが大切です。

旅行で観測できなかった日数が3日間だとすると、3日間で一気にどれくらい動いたかという記録は残せるのです。そして、できれば旅行先でも、決めている時間ではなくても、火星の様子を見てみましょう。そして、自分の家での見え方との違いや、もちろん見た場所、天気などいつも記録している内容を記録しましょう。

家ではこうだった、おじいちゃんの家ではこうだった、と、「違い」という記録・観測ができます。

うっかり忘れて、決めた時間よりも遅くなったときなどは、もともと貼っているシートの上に、透明シートを1枚重ねて印をつけます。そして重ねたシートは「うっかり分」として、日時などを書き留めておきます。透明シートはあとで数枚を重ねても見ることができますから、観測時間がズレた記録も合わせて見ることで、「変化や違い」を考えることができます。

とにかく、忘れてしまっても、日にちが開いてしまっても、どうにかして「続けて」おくことが大切です。

 

街の科学館や天文台・プラネタリウムへ

夏休みの期間、さらに、いまは火星大接近の期間で、多くの科学館や天文台などで、さまざまな『観察会』が行われています。

天文台に設置されている大きな天体望遠鏡ばかりではなく、観察会では貸出の望遠鏡を並べて、一度にたくさんの人と観察をしたりする催しが開かれます。

望遠鏡で見た火星や星を写真に撮ることもできます。スマートフォンで撮影することもできます(科学館や天文台の方が方法を教えてくれると思います)。

 

観察記録を作る

夏休み中の観測は、他の宿題もあるでしょうから、「観測を終わる日」をあらかじめ決めておきます。

始める日は、準備ができたら、すぐに、その日から、です。

夏休み中に集まった資料や写真などを整理するのに、何日かかかるでしょうから、夏休みが終わる5日くらい前が終わる日としてはいいかもしれません。

ここで、毎日ノートに記入していた「観測の記録」は、このままで大切な資料になっています。このノートには、透明シートを切って貼ったり、写真を貼ったり、しないで、このままで完成にします。

別に、スケッチブックを1冊用意しましょう。

スケッチブックの1枚目・最初のページには、あとで「目次」を作るので、開けておきます。

紙をめくって2ページ目から、火星の大きさや地球からの距離、大接近についてなど、火星のことを調べてその内容を書きます。ページは多くなってもかまいません。

火星の説明のページができたら、その次のページから、窓に貼って印をつけていた透明シートや写真、『観察会』などに行けたのならその時にもらった資料や写真などを、日にち順に貼っていきましょう。種類ごとに分類したり、整理して貼ろうとすると、このページはあれが足りない、やっぱりこっちに貼っておけばよかった、となってしまうので、日付順にするのがいいです。

貼り付けるときには、少しずつ余白を残しておいて、その時の感想や誰かに教えてもらったことや、虫に刺されたとか、そういうことも書いておくとよいです。スケッチブックはページが足りなくなったら、2冊でも3冊でもかまいません。

そして、全部貼り終わったら、最初に残した1ページの紙に、「目次」を作ります。

目次を作るときは、細かくなりすぎないように気をつけましょう。

例:

火星について P.2

観察の準備 P.3

家で観察した定点記録 P.6

旅行先で撮った空の写真 P.8

青少年科学館の観察会の様子 P.10

 

こうしてできた、観察ノートと観察記録資料(スケッチブック)を、2学期の始業式にそのまま学校へ持っていけば、自由研究の完成です。

 

ことしも、豪雨があったり、猛暑になったりと天候の異変が多く見られますが、楽しい夏休みを過ごしてください。

 

リンク

国立天文台「火星大接近2018」

 

 

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