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風疹予防接種無料化 風しんワクチンと抗体検査を厚生労働省 前回大流行を上回る

 

39歳〜56歳男性の風疹ワクチン接種を無料化へ

厚生労働省は12月11日、風疹の新たな対策として、子供のころに予防接種の機会がなかったために特に感染リスクが高いとされる39歳~56歳の男性を対象に2019年から約3年間(平成31年年度~33年度末までの約3年間)免疫の有無を調べる抗体検査とワクチン接種を原則無料にすると発表しました。

開始は春以降になる見通しです。

風疹の定期接種は現在、男女ともに幼児期に計2回実施されています。

しかし国は当初、女性だけをワクチン接種の対象としており、昭和37年4月2日~昭和54年4月1日に生まれた39歳~56歳の男性は定期接種の機会がありませんでした。

この世代の抗体保有率は79.8%と他の世代より低く、今年(2018年度)の風疹患者の中心になっています。

国立感染症研究所が12月11日日発表した今年の患者数は2,454人で、前回の大流行が始まった2012年を上回っています。

根本匠厚労相は「国民の安心のため追加策をまとめた。(検査と接種に向けた)自治体の準備を支援する」と話し、訪日客の減少など国際的影響も懸念される中、政府がようやく対策に本腰を入れた形です。

日本は近年の風疹の流行により、根絶宣言をしているアメリカなどの先進諸国から「風疹の輸出国」と指摘されるという問題も出はじめています。

厚労省は今回、抗体保有率の低い年齢層への予防接種を公的な「定期接種」に位置づけ、まずは抗体検査を受けてもらい、免疫が十分でないと判明した人にワクチンを接種する方針です。

費用はいずれも原則無料とし、企業の定期健診などに合わせて検査が実施できるよう体制の整備も進めるとしています。

日本国内で風疹の免疫がある人はおよそ92%とされています。

国は今回の対策で、2020年の東京オリンピックまでに対象となる年齢男性の免疫保有率を85%以上に引き上げ、2021年度末には90%以上とすることを目指しています。

WHO(世界保健機関)では、風疹の流行を阻止することが可能な「集団免疫状態」となるには全体の85%に達することとされ、世代を問わず、この値をクリアする必要があります。

 

 

海外での感染・外務省の注意喚起

外務省は、海外における麻しん(はしか)・風しんに関する注意喚起を海外安全情報として告知しています。

 

アジア・アフリカ・ヨーロッパ諸国などでは、麻しん・風しんの感染例が多く報告されています。

海外では麻しん・風しんに感染するリスクがあることを認識し、麻しん・風しんの予防接種を2回受けていない方は、受けることを検討してください。

国内では、輸入例を発端とした集団感染も発生しています。

 

1.麻しん・風しん排除への取り組み

(1)日本は、2015年3月に世界保健機関(WHO)から、土着の麻しんウイルスが存在しない「麻しん排除国」に認定されましたが、その後も海外からの輸入例を発端とした集団発生事例が報告されています。

また、厚生労働省は、2020年までの「風しん排除」の達成を目指して、海外に渡航する人、風しんに対する免疫の不十分な人が多い30歳代後半から50歳代までの男性、妊娠を希望している女性などに対して、風しんの予防に関する啓発を行っています。

(2)これらを踏まえ、同省は、麻しんもしくは風しんにかかった(検査で診断された)ことが明らかでない人、予防接種を2回接種していない人または接種歴が不明な人は、予防接種を受けることを検討するよう呼びかけています。

 

2.麻しんについて

(1)麻しんは、感染力が非常に強く、空気感染や飛沫感染によって簡単に人から人に感染する急性のウイルス性発しん性感染症です。潜伏期間は10~12日で、免疫が不十分な人が感染すると高い確率で発症します。主な症状は発熱、咳、鼻汁、結膜充血、発しんなどですが、まれに肺炎や脳炎になることがあり、先進国であっても、患者1,000人に1人が死亡するといわれています。

(2)2016年には全世界で約19万人の患者が報告されました。最近では、イタリア、ルーマニアなどのヨーロッパにおいて麻しん報告数の増加が確認されています。

 

3.風しんについて

(1)風しんは、感染力が強く、飛沫感染によって人から人に感染する急性のウイルス性発しん性感染症です。潜伏期間は14から21日で、主な症状は発熱、発しん、リンパ節腫脹などですが、まれに脳炎や血小板減少性紫斑病を合併するなど、入院加療が必要になることもあります。また、感染しても症状がでない不顕性感染が15~30%程度存在します。

妊娠20週頃までの妊婦が風しんウイルスに感染すると、出生児が先天性風しん症候群(CRS)を発症し、難聴・白内障・先天性心疾患などの病気をもって生まれてくる可能性があります。

近年、大規模流行の頻度は少なくなったものの、海外で感染して帰国後発症する「輸入例」の割合が増えています。

(2)2016年には、アフリカ及びアジアを中心に、全世界で約2万2千人の患者が報告されました。

 

4.麻しん・風しんの予防について

麻しん・風しんの発生がない、あるいは非常に少ない国・地域では、滞在中に麻しんもしくは風しんを発症すると、感染の拡大防止のため、発症した本人はもとより、同行者も移動を厳しく制限されることがあります。

そのようなことを避けるためには、麻しん・風しん混合ワクチンによる定期の予防接種を2回受け、麻しん・風しんに対する免疫をつけておくことが重要です。

このため、麻しんもしくは風しんにかかった(検査で診断された)ことが明らかでない方が海外渡航される時には、あらかじめ母子手帳などで麻しん・風しんの予防接種歴を確認し、予防接種を2回接種していない方、または接種歴が不明な方は麻しん風しん混合ワクチンによる予防接種を検討してください。

なお、定期の予防接種は、生後12月から生後24月に至るまでの間にある小児(1期接種)及び小学校就学の始期に達する日の1年前の日から当該始期に達する日の前日までの間にある5歳以上7歳未満の小児(2期接種)に対して実施しています。

麻しん・風しんの予防接種に用いるワクチンは、麻しん・風しん2つの疾患への対策という観点から、原則として、麻しん風しん混合ワクチンの使用が推奨されています。

(外務省)

 

 

はしか 世界で感染拡大 国連 子どもへのワクチン接種呼びかけ

日本を含む世界各地で、はしかの感染が広がっていることから、ユニセフ=国連児童基金は、各国の政府などに対し、子どもへのワクチンの接種を徹底させるよう呼びかけています。

ユニセフは1日、世界各地ではしかの感染が拡大していて、去年、前年よりも患者が増加した国は98か国に上ることを明らかにしました。

WHO=世界保健機関の調べでは、去年、患者の数が最も多かったのは、インドで6万4972人、続いてウクライナが5万3218人、パキスタンで3万3224人などとなっています。

ユニセフは、感染が拡大している原因として、医療体制がぜい弱なことや紛争のために十分な治療が提供できないこと、それにはしかに対する危機感が市民の間で薄いことなどを指摘しています。

またアメリカでは、健康上のリスクを引き起こすとしてワクチンの接種を控えたり拒否したりする動きが広がっていて、こうした動きも感染拡大の原因として挙げています。

ユニセフは、各国の政府や市民に対し、ワクチンは安全かつ効果的で命を守るものだと理解したうえで、生後6か月から5歳までのすべての子どもにワクチンの接種を徹底させるよう呼びかけています。(NHK)

 

 

関連リンク

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/

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https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles/index.html
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