気象・災害

雨の強さと降り方の区分 雨の強さの表現 『非常に激しい雨』とは

雨

 

気象の表現

テレビやラジオ・新聞の天気予報・気象解説でよく見聞きする『バケツを引っくり返したような雨』などの表現。

これらの表現は、気象庁が策定している「気象庁が天気予報等で用いる予報用語」に準じています。

気象庁はこれらの予報用語のあり方について、

様々な形で提供される天気予報などが誰にでも正確に伝わるよう、気象庁では報道機関などのご意見を伺いながら、天気予報などに使う予報用語を定めています。

(気象庁)

としており、言葉の表現の違いから、「これくらいなら大丈夫」という思い込みや勘違いなどで生命・財産に危険が及ぶことがないよう、災害の予防や減災のために取り組まれているものです。

 

雨の強さと降り方の気象表現区分|雨の強さの表現

1時間雨量(mm) 10以上〜20未満 20以上〜30未満 30以上〜50未満 50以上〜80未満 80以上〜
予報用語 やや強い雨 強い雨 激しい雨 非常に激しい雨 猛烈な雨
人の受けるイメージ ザーザーと降る どしゃ降り バケツを引っくり返したように降る 滝のように降る(ゴーゴーと降り続く) 息苦しくなるような圧迫感がある。恐怖を感ずる
人への影響 地面からの跳ね返りで足元がぬれる 傘をさしていてもぬれる 傘は全く役に立たなくなる
屋内
(木造住宅を想定)
雨の音で話し声が良く聞き取れない 寝ている人の半数くらいが雨に気がつく
屋外の様子 地面一面に水たまりができる 道路が川のようになる 水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなる
車に乗っていて   ワイパーを速くしても見づらい 高速走行時、車輪と路面の間に水膜が生じブレーキが効かなくなる(ハイドロプレーニング現象) 車の運転は危険

(気象庁提供:平成12年8月作成、平成14年1月一部改正、平成29年3月一部改正、平成29年9月一部改正)

 

1時間に50mm(以上)の非常に激しい雨とは

 

たった5センチの高さの雨

5センチといえば、家庭でも馴染みの多い「単3乾電池」の高さとほぼ同じです(米呼称AA・日本呼称単3形。IEC国際規格で高さ50.5mmと定められている)。

気象庁の解説のように、たった5センチ(50mm)の高さの雨と安易に捉えていてはならないものです。

1平方メートルあたり50リットルということは、1時間で傘の上には約50kgの重さがのしかかっていることになります。

10平方メートルでは500リットル、100平方メートルでは5キロ(5000)リットルにも及びます。1時間あたりですから、2時間では2倍、3時間では3倍の量です。

このような雨が、広い範囲に、長い時間降り続けば、どれほどの量の雨が地上に降り注いでいることになるでしょう。そして、降り続いた雨が次々と河川に流れ込めば、当然、水位は上昇、流れも速まります。

山間部で降った雨は、山が受け止めることのできる水の量を超えれば、それらは溢れ出し、河川に流れ込んでいきます。自分がいる場所は雨が降っていなくても、川の上流の山で多くの雨が降れば、必然的に下流域の水量は増えてしまいます。

雨 新潟県豪雨

雨に対する警戒は、短時間に多くの雨が降ることはもちろん、少ない雨量でも長時間に渡って降り続けば災害発生の可能性は高まっていきます。

日頃から、いつ頃、どの辺りで、どれくらいの量の雨が、どれくらいの時間の長さで降っていたか、ということを少し気に留めておくことで、自らの災害予防につながります。

 

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