法と歴史

改正刑法 厳罰化された「侮辱罪」が成立|併せて1907年の刑法制定以来初めて刑の種類や名称が変更された「拘禁刑」が新設

 

刑法第34章 名誉に対する罪|第231条(侮辱)明治四十年法律第四十五号

事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

e-GOV 法令検索 明治四十年法律第四十五号 刑法

名誉毀損罪との関係で、本罪の保護法益について、名誉毀損罪と異なる名誉感情と解する見解もあるが、判例・通説は名誉毀損罪と同じ外部的名誉(社会的名誉・社会的な評価)であるとする。通説は、本罪と名誉毀損罪とは、事実の摘示の有無によって区別されるとする。

本罪の行為は「公然と人を侮辱すること」である。
「公然」については、名誉毀損罪と同じ
「侮辱」とは、他人の人格を蔑視する価値判断を表示することをいい、態様を問わない

侮辱罪の法定刑は、拘留または科料であり、刑法典で規定されている犯罪において、法定刑が最も軽い。法定刑に拘留・科料しかないことから、幇助犯・教唆犯は処罰されない(刑法64条)。また、犯人隠避罪(刑法103条)の客体となる犯人にも当たらない。

 

 

改正侮辱罪 報道

侮辱罪厳罰化、改正刑法が成立 「拘禁刑」を創設

インターネット上の誹謗(ひぼう)中傷対策を目的に侮辱罪の法定刑を引き上げることなどを盛り込んだ改正刑法が13日、参院本会議で賛成多数により可決、成立した。

侮辱罪の改正部分は今夏に施行される見通し。

国会審議の過程で、厳罰化により表現の自由が制約されるのではないかとの懸念が示されたため、施行から3年後に有識者を交えた検証を行うことが明記された。

侮辱罪は、公然と人の社会的評価を害した場合に適用され、改正前の法定刑は「拘留(30日未満)または科料(1万円未満)」と刑法で最も軽かった。

プロレスラーの木村花さん(当時22歳)が2020年、出演していた恋愛リアリティー番組での発言を巡ってネット交流サービス(SNS)で中傷され、急死したことをきっかけに法改正の議論が本格化した。

成立した改正法は、侮辱罪の法定刑に「1年以下の懲役もしくは禁錮」と「30万円以下の罰金」を加え、これに伴い公訴時効が1年から3年に延びた。時効が延びたことで、人権を侵害する悪質な書き込みをした投稿者を特定する捜査が可能な期間も長くなり、厳罰化に加えて誹謗中傷への抑止効果が期待できる。

今回の改正では、刑務所などに収容する刑罰のうち刑務作業の義務がある「懲役刑」と義務がない「禁錮刑」を廃止し、2つの刑を一本化する「拘禁刑」を新たに創設する。

拘禁刑では、刑務作業のほか、再犯防止のための教育などを受けることができるようになる。服役後に、再び犯罪を起こす「再犯者」を減らすため、立ち直りに力を入れる狙いがある。刑の種類の変更は、115年前に刑法が制定されて以降、初めて。(毎日他)

https://www.jiji.com/jc/article?k=2022061300085
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