journey

太陽の森 ディマシオ美術館 世界最大の油彩画と圧倒的な幻想芸術世界 第1回 <北海道新冠町>

更新日:

 

ディマシオ美術館の執筆にあたって

北海道の新冠町に『太陽の森 ディマシオ美術館』の開館するという報せを聞いてから、長い間訪ねたいと願っていました。

とても残念なことにそれは遅々として実現せず、2010年のオープンから8年もの歳月を費やしてようやく訪問が叶いました。

しかし、遺憾なことに滞在時間が限られてしまい、それでも、最大限の精神を傾注して、拝観しました。

タイトな時間設定の中にも、多くの写真を撮影することができました。

ここは「写真撮影を許している」美術館です。※

私にとって、とても重要なディマシオ絵画との出会いは遡ること30年前になります。滞在時間は短かったものの、できるだけ大切に作品世界を書ければと思い、数回に分けての掲載をお願いしました。

どれほどの方々がお読みくださるかは度外視して、好き勝手な文章で、写真も綺麗なものを見ていただきたいので、可能な範囲の画質を目指して…

と、ここまで書いて、美術作品なので「とにかく、実物を観てください」の一語に尽きるわけで、ディマシオ美術館を訪問される際の事前準備に、お読みいただければ幸いです。

(既に興奮し過ぎで支離滅裂)

 

※近年では、ニューヨークのMOMAやメトロポリタン美術館、パリのルーブル美術館、イギリス大英博物館など著名な施設も写真の撮影を許可しているところが増えてきました。もちろん、常設展示以外の作品や収蔵品、特別展などで撮影そのものが禁止されていたり、フラッシュや三脚の使用不可など条件を付していることもありますから、都度、慎重な確認が必要です。

 

 

Gérard Di-Maccio 作品との出会い

私がはじめて、ジェラール・ディマシオ氏の作品と出会ったのは、ちょうど30年前、1988年(昭和63年)の小田急グランドギャラリーで開催されていた個展だった。

当時の私は高校に通いはじめて半年余りの頃で、同世代の多くの人々よりも、少し複雑で面倒な問題を抱えていた。

問題とは、いまで云うところのLGBTに相当する事柄であるが、当時は、現在のその正否や評価は別として、今日のような状況にはなく、情報は限りなく入手が困難であり、話す相手もなく、私はただ、自分のことをどうしてだかこの地上世界に生み出された「個体」のひとつとして、考えることを放り出すことにしていた。そうしないと、生きることは難しいと思っていた。

私の母は、どこかに「ズレ」のようなものを生じている我が子を察知していたのか、「精神を修養すること」を説いてくれた。

母は幼い頃、修道女になろうと決意し、しかしそれは実現できなかったが、神仏に造詣が深く、宗教哲学を専門とした。そのような母が、『より多くの精神世界に触れる』ことを、私に推奨した。

私は13歳くらいで、世界から逃げ出したい、という希望があった。私が何かを伝えたわけでもないのに、ある日母は、世界から逃げ出すことはとても簡単なことだが、簡単だから後にとっておいて、ちょっと面倒くさい方法だけれど、この世界で、地点を移動するという逃げ方もある、と言った。私の感じていた自分以外の人々との呪縛のようなものを見抜いていたのかもしれない。

こうして私は13歳の冬くらいから、「簡単なこと」を実行する前に、「ちょっと面倒くさい方法」を使わせてもらえるようになり、精神が混濁しすぎる前に、住んでいるところから離れた地点に移動した。そこは専ら、母の友人知人のところだったり、ホテルだったり、旅館だったりで、いつも概ねひと月くらい、いた。

もっとも多く向かった地点は東京で、東京にはいろいろな角度から「精神を修養する」手段や施設が豊富で、人の多さが個を希薄にすることもよいからとの勧めだった。たくさんのお寺や神社、教会、図書館、美術館に行った。気に入ったお寺があると、ただ外陣に座って一日を過ごすこともあったし、数日通うこともあった。そして、幾人も幾人も出会った僧侶の方々はみな一様に「いつまでいてもいい」とだけ、私に伝えてくれた。陽も暮れ始める頃には、泊まっていってもよい、ただし、その旨を必要な人には連絡すること、そう声をかけてくれた。親に、とかではなく、必要と思う人に伝えておくんだよ、という言い方がとても好きだった。

もちろん、私の体験は特殊だろうし、「簡単なこと」を行使しないでいまもこの世界にいることは、母の苦悩を思うと感謝する他にない。

そんな時を過ごしながらも、私の中では、まるでゴーギャンのように『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』という自問が繰り返されていた。考えるのを、放棄していたはずであるのに。

そして、88年、出会う。

(油彩 1979年 79✗130cm)

この作品の中に、自分がいる。

何者なのかわからない。人の種類も、産まれてきたものなのか、そもそも人なのか、造形されたものなのか、ならば誰が、いつ造り出したのか。でも、そこに映る何者かは、呪縛されている。そう私は感じた。散りばめられた何かの破片が、破片の下に存在しているであろう絵のとてつもない時間軸の大きさを思わせた。破片が現在で、この何者かがいるのは過去なのか、それとも、絵が現在で降り注ぐような破片が未来なのか。あるいは、過去でも、現在でも、未来でもない、何かの軸の1点なのか。そして、時間は存在しないのだろうと、私は理解するしかなかった。

私は美術評論家ではない。そして、絵画を専門に勉強してきたわけでもない。もちろん当時は何も手にしていない16歳の個体に過ぎない。だけれど、この絵の「色」の数とその数で表現されている光の量に惹き込まれた。首は何かによって束縛されているのか、それとも、胴体と思われる部分とは繋がってはいないのか。でも、首と胴の間の光量が、一個体であることを明示しているようにも感じる。

 

(つづく)

 

ディマシオ美術館について

一頭最初に「実物を観てください」と書いておきながら、美術館のご案内をしないで終わりかけてしまいました…

 

所在地と連絡先

所在地:北海道新冠郡新冠町字太陽204番地の5

電 話:0146-45-3312(お問い合わせフォームがあります。後述)

 

2018年(平成30年)の開館期間

3月31日(土)〜 11月25日(日)まで

※11月26日(月)から冬期休館予定

 

開館時間

木・金・土・日・祝の 午前9時半〜午後4時半(午後4時半まで入館可能)

月・火・水は休館

※20名以上の団体の場合は、曜日にかかわらず開館していただけるので、人数を満たすときはお問い合わせを

 

無休期間

多くの方が拝観しやすい時期には、「無休期間」として、毎日開館されています

大型連休期間:4月26日〜5月6日の間

夏休み期間 :7月26日〜9月30日の間

上記の無休期間は、開館時間が午前9時半〜午後5時までと閉館時間が30分延長されています。なお、入館は午後5時まで可能です

 

入館料

一般 1,100円
高校生・大学生 950円
中学生 900円
小学生以下 無料
障害者手帳をお持ちの方 900円
太陽地区在住の方 無料
20名以上の団体 950円/人

※障害者手帳所持者の介助をされる方も、900円で入館可能です
※表示の金額は、すべて税込みです

 

アクセス

乗用車:新冠町の道の駅「サラブレッドロード新冠」から、約30km・およそ30分の道のりです
高速道路インターチェンジ付近や国道235号線及び道道には、ディマシオ美術館への行き先を示した看板が設置されています

高速・日高自動車道から直接行く場合や、新得町営のコミュニティバスを利用される場合は、ディマシオ美術館公式「アクセス・交通案内」をご参照ください

 

公式サイト・お問い合わせフォーム

公式Web「太陽の森 ディマシオ美術館」

公式Web「お問い合わせフォーム」

公式 Facebook

公式 Twitter

公式 instagram

 

 

 

-journey
-,

Copyright© unavailable days , 2018 All Rights Reserved.