気象・災害

気象庁『線状降水帯』予測を開始 2022年6月1日から

 

線状降水帯予測の開始について 気象庁

報道発表日

令和4年4月28日

概要

 頻発する線状降水帯による大雨災害の被害軽減のため、6月1日から産学官連携で世界最高レベルの技術を用いた線状降水帯予測を開始します。

本文

 近年、線状降水帯による大雨によって毎年のように甚大な被害が引き起こされています。
 このような災害を引き起こす線状降水帯の発生について、事前に予測することは困難でしたが、気象庁では線状降水帯予測精度向上を喫緊の課題と位置づけ、産学官連携で世界最高レベルの技術を活用し、船舶GNSSによる洋上の水蒸気観測等の観測の強化や、大学等の研究機関とも連携した予報モデルの開発を前倒しで進めています。
 その第1歩として、気象庁では、早めの避難につなげるため、6月1日から線状降水帯による大雨の可能性を予測し、まずは「九州北部」など大まかな地域を対象に半日前からの情報提供を開始します。

 さらに、予測精度を高めるための産学官連携の取組を一層強化します。具体的には、今年の梅雨期には、大学等の複数の研究機関と連携して線状降水帯のメカニズム解明に向けた高密度な集中観測を実施します。また、文部科学省・理化学研究所の全面的な協力を得て、スーパーコンピュータ「富岳」を活用して、開発中の予報モデルのリアルタイムシミュレーション実験を実施します。
 これらの取組を通じて、令和11年度には市町村単位での情報提供を目指すなど、線状降水帯による大雨災害の防止・軽減に向けてさらなる予測精度の向上を図ってまいります。

 

気象庁報道発表資料

 

 

報道

豪雨災害の一因とされる「線状降水帯」を巡り、気象庁は予測情報を6月1日から発表する。

線状降水帯がいつごろ、どのあたりで発生するかを、発生が見込まれる半日から6時間前までにホームページに掲載し、関係する地域の自治体や住民に事前の準備を促す。

予測情報は的中率に課題を残すものの、気象庁は、人命を奪う大災害の被害を少しでも減らすための手段として定着させたい考えだ。

新たな予測情報とどう向き合えばいいのか。

積乱雲が次々とできて長さ50~300キロ程度の帯状になり、同じ場所で数時間にわたり大雨を降らせる線状降水帯。

熊本県などで死者・行方不明者が80人超に上った2020年7月の九州豪雨や、関連死を含めて300人超が犠牲となった18年7月の西日本豪雨などで発生が確認された。

被害を少しでも減らすため、発生の予測は喫緊の課題となっており、気象庁は観測網の強化を進めていた。

新たな予測情報は、原則として全国を11地方(北海道、東北、関東甲信、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州北部、九州南部・奄美、沖縄)に分割した上で、発生が見込まれる半日から6時間前までに、発生する時間帯を「午前中」「夜」などと幅を持たせる形で発表する。予測情報は複数の地方にわたる場合がある。

ただ、予測情報の精度には課題がある。気象庁は19~21年に発生した線状降水帯などのデータを基に、予測情報の精度を検証。その結果、予測情報を出した際に、対象の地方を含む全国のいずれかの地方で線状降水帯が実際に発生するのは2回に1回程度▽特定の地方から見た場合に、その地方に出された予測情報が的中するのは4回に1回程度▽予測情報が出た地方は、たとえ線状降水帯が発生しなくても、災害級の大雨が約6割の確率で起こる――といったことが分かった。

例えば「九州北部で○月△日夜に線状降水帯が発生する」との予測情報が出た場合、この予測の通りに線状降水帯が発生するのは4回に1回程度となる見込みだ。ただし、九州北部で災害級の大雨が発生する確率は約6割に上ることになる。

自治体関係者の受け止め方はさまざまだ。全国の都道府県で唯一、5年連続で「大雨特別警報」が出されている福岡県。福岡市の担当者は「線状降水帯の予測だけで避難を呼びかけることはない」としながらも、「大きな一歩。『危ないかもしれない』とスイッチを切り替えて早めに避難する人が増えてくれれば」と新たな一歩に期待を寄せる。

一方、20年7月の九州豪雨で球磨川が氾濫し、25人が犠牲になった熊本県球磨村の中渡徹防災管理官は「予測の範囲が『九州北部』では広すぎる」と話す。線状降水帯の予測情報を防災無線で知らせるかは「ケース・バイ・ケースだ」としている。

それでも、気象庁の長谷川直之長官は5月18日の定例記者会見で、「この精度であっても(防災・減災に)役立てることができる」と予測情報の意義を強調した。実際に災害が発生するまでの猶予(リードタイム)が得られれば、自治体は避難所の開設や水防態勢の確認が、住民は避難の準備が、それぞれしやすくなるからだ。

長谷川長官は「(予測情報が出たら)まず危機感を高めてもらい、いつでも逃げられる準備をしてほしい」と呼びかけた。  気象庁は24年には都道府県単位で、29年には市町村単位での予測情報を発表したいとしている。(毎日202205311704)

 

 

気象庁 線状降水帯予測の発表ハームページ

気象庁は、線状降水帯の予測情報は、下記のホームページで発表するとしています。

気象庁は、予測情報が発表された地域の住民に、害時に危険な状態となることが見込まれる場所を示す「ハザードマップ」で避難所や避難経路を確認するよう呼びかけています。

ハザードマップは市区町村がホームページで公表するなどしていますが、国土交通省のハザードマップポータルサイトからも閲覧が可能です。

気象庁は、線状降水帯の予測情報に限らず、警報・注意報が発表された際などには、自分のいる場所の危険度がすぐにわかる「キキクル」などで情報を収集するなどして身の安全を確保してほしいとしています。

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