国立感染症研究所が分離に成功した、英国から報告されたSARS-CoV-2新規変異株VOC

感染症

新型コロナウイルス変異株のギリシャ文字呼称|WHO

 

新型コロナウイルス変異株に国名使用せず、ギリシャ文字に

WHO(世界保健機関)は、2021年5月31日、新型コロナウイルス変異株の名称について、最初に確認された国名ではなく、ギリシャ文字のアルファベットを使用すると発表した。

新名称は「懸念される変異株(VOC)」(現在流行している中で最も問題のある四つの変異株)と、その次に警戒される「注目すべき変異株(VOI)」に適用される。

 

二つの科学的名称(呼称と系統名)は継続

新型ウイルス変異株に関しては、それぞれの変異に対して二つの科学的名称(呼称と系統名)が使用されており、突然変異に関する情報を伝える「B.1.1.7 」「B.1.351」「P.1」「B.1.617」といった系統名は、科学界では今後も使用される。

WHOは声明で、「こうした科学的名称には利点がある一方で、言いづらく、覚えにくく、誤報につながりやすい」とし、「そのため、変異株は最初に確認された場所の名前で呼ばれがちだが、こうした呼称は蔑称や差別に当たる」と指摘。「このような事態を避けつつ広報活動を簡素化するため、WHOは各国当局や報道機関などにこれらの新呼称を採用するよう求める」と述べた。

 

 

変異株のギリシャ文字呼称

アルファ株

イギリスで見つかった変異ウイルスの「アルファ株」は2020年12月上旬に初めて報告

「スパイクたんぱく質」に「N501Y」と呼ばれる変異があり、「スパイクたんぱく質」の501番目のアミノ酸がアスパラギン(略号N)からチロシン(略号Y)に置き換わっている

 

ベータ株

南アフリカで最初に見つかり、2020年5月には発生していたとされる。同年11月中旬に南アフリカで行われた解析ではほとんどがこの変異ウイルスだったとみられている

「N501Y」の変異に加えて抗体の攻撃から逃れる「E484K」という変異もあることから、ワクチンの効果への影響が懸念

 

ガンマ株

ブラジルで2020年11月のサンプルで確認され、WHOは、2021年3月・4月の時点ではブラジルで遺伝子を詳しく調べた検体のうち83%に上ったとしている

南アフリカで確認された「ベータ株」と同様に「N501Y」に加えて抗体の攻撃から逃れる「E484K」の変異もあることが分かっている

 

デルタ株

デルタ株

インドで最初に確認された変異株は亜系統に分かれ、そのうちVOCに相当する「B.1.617.2」系統が「デルタ株」、VOIに相当する「B.1.617.1」系統が「カッパ株」

※インドで確認されたもののうち、最も拡大しているものが「デルタ株」で、VOC指定

VOC:懸念される変異株 現在流行している中で最も問題のある四つの変異株
VOI:注目すべき変異株 VOCのの次に警戒される変異株

 

イータ株

2020年12月にイギリスで最初に確認された変異ウイルス

VOI指定

日本では、厚生労働省が、2020年12月から9月3日までに国内に到着した人のうち、検疫の検査で陽性となった人の検体を国立感染症研究所で遺伝子解析した結果、合わせて18人がイータ株に感染していたと公表した(2021年9月9日)

 

イオタ株

米NYで発見された

VOI指定

 

カッパ株

デルタ株のうち、「B.1.617.1」系統

VOI指定

2020年10月、インドで最初に確認された

日本では、2021年9月3までの検疫検査で19人の感染が確認されたことを厚生労働省が公表した。検疫以外の事例では、2021年6月、三重県で確認されたとの報告例がある(新型コロナ 県内初「デルタ」、カッパ株と判明 新たに13人感染 /三重 2021年6月24日毎日新聞報道)

 

ラムダ株

WHOによると、ラムダ株は去年8月に南米のペルーで初めて報告され、ペルーやチリ、エクアドルなど南米を中心に広がっている

WHOは、注目すべき変異株に指定
現在のところ「デルタ株」や「アルファ株」など「懸念される変異株」に位置づけられている変異ウイルスほどの広がりは見られていない

国立感染症研究所は「感染力やワクチンへの抵抗力が従来のウイルスより強い可能性はあるものの、データが限られている」として、現時点では「注目すべき変異株」に位置づけていない

 

ミュー株

コロンビアで最初に確認された

WHOは、2021年8月31日、1月にコロンビアで最初に確認された新型コロナウイルス変異株「B.1.621」系統の「ミュー株」を「注目すべき変異株(VOI)」に分類したと明らかにした。指定は8月30日付

2021年1月に南米のコロンビアで初めて確認されて以降、南米やヨーロッパで感染が確認されていて、特にコロンビアとエクアドルで増加傾向にある

ミュー株は、新型コロナウイルスの遺伝子配列を登録するウェブサイト「GISAID」で、9月2日の時点で42の国や地域で報告されいる

ミュー株は、ウイルスの「スパイクたんぱく質」の遺伝子に「N501Y」という変異や抗体の攻撃から逃れる「E484K」という変異などが含まれていて、この2つの変異は南アフリカで確認され、WHOが「VOC=懸念される変異株」に位置づけている「ベータ株」にもみられるという

 

 

ギリシャ文字のアルファベット24文字以降

24文字あるギリシャ文字のアルファベットを使い果たした後の名称をどうするかは未定

エプシロン(日本ではイプシロンと呼称されることが多く見受けられる)、ゼータ、エータ、シータ、イオタは既にVOIに割り当てられている

 

 

N501Y

ウイルスのタンパク質の501番目のアミノ酸がN(アスパラギン)からY(チロシン)に変わり、スパイクタンパク質が人の細胞と結合しやすくなったとされる

南アフリカ株とブラジル株は、484番目のアミノ酸がE(グルタミン酸)からK(リシン)に変化したE484K変異を併せ持つ。

 

 

L452R

L452R変異は、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質にみられる変異で、同変異を持つ変異株として、インド株B.1.617、カリフォルニア株B.1.427、B.1.429などが知られている

 

 

E484K

「E484K」は、イギリスや南アフリカなどで広がったものとは異なるタイプの変異した新型コロナウイルスのひとつで、「スパイクたんぱく質」のアミノ酸のうち、484番目のアミノ酸が変化している

cf:新型コロナウイルスのスパイクタンパク質の484番目のアミノ酸が、野生型ではグルタミン酸(E)であるところ、リジン(K)に変異したもの(E484K変異)およびグルタミン(Q)に変異したもの(E484Q変異)が報告されている

慶應義塾大学医学部臨床遺伝学センターは、2021年3月4日付で、日本に特有の株であるB.1.1.214に属する株の中でE484Kが2020年8月と2020年12月に発生していたことを報告

 

 

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