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フィリピン タール火山 高さ1kmのガスと蒸気の噴煙

フィリピン タール火山

©AP

 

フィリピン当局 タール火山の警戒水準を引き上げ

フィリピン火山地質学研究所は7月1日午後、首都マニラ南方のタール火山(標高311メートル)の警戒水準を5段階で上から3番目の「3」に引き上げたことを明らかにした。

タール火山が高さ約1キロに及ぶ噴煙を上げたことで、噴火の可能性が高まっているとして、近くの住民らに警戒を呼び掛けている。

周辺には日系企業などが入居する工業団地が集積している。

 

 

木曜日、数千人の避難を開始

現地当局によると、これまでにバタンガス州から3500世帯、1万4000人以上が避難しているという。

 

 

マニラや近郊の町の上空には有害なガスが充満

フィリピン当局は3日、首都マニラから南に50キロのタール火山が噴火したことを受け、住民2000人以上が避難したと明らかにした。

マニラや近郊の町の上空には有害なガスが充満しているという。

風光明媚な湖の景色で知られるタール火山だが、ここ数日は継続的に二酸化硫黄を噴出。

マニラ市内や周辺の複数の州の上空には濃霧が発生し、健康への影響が懸念されている。

地元災害当局のジョセリート・カストロ氏はAFPに対し、政府が湖岸の集落の住人に避難を呼び掛けており、少なくとも2400人が家を離れたと明らかにした。

タール火山は先週の大半、火山スモッグを噴出しており、マニラ市内では太陽がスモッグで覆い隠された状態となった。

民間防衛当局は、噴火の状況が最悪の事態に至った場合、31万7000人以上が火山からの有害ガスの影響を受ける可能性があると警告している(AFP 20210703)

 

 

タール今回の噴煙の動画(PHIVOLCS:フィリピン火山地震研究所)

PHIVOLCS(フィリピン火山地震研究所)が1日撮影した噴火口から噴煙を上げる様子

Phreatomagmatic eruption of Taal Volcano on Thursday, July 1, 2021

 

 

タール火山

タールは世界最小の活火山の1つで、標高は311メートル(1,020フィート)だが、その噴火活動は致命的ともいえる爆発力があることで知られている。

1911年の噴火では、1300人以上が犠牲となった。

2020年1月、噴火警戒レベル4でタールは高さ15kmに達する巨大な噴火をし、数十万人が住む家を失い、39人が死亡した。

フィリピンのルソン島にある複合火山。

フィリピンの首都マニラ市の南方約60kmのバタンガス州に位置する。

史上34回の噴火歴があり、フィリピンで2番目に活発な火山である。

過去34回の噴火は全て、タール湖の中央付近に位置する火山島 に集中している。

先史時代、140,000 BPから5,380 BPにかけての噴火により形成されたタール・カルデラの一部をタール湖が満たしている。

カヴィテ州のタガイタイ・リッジからの眺めは、フィリピン随一の絵のように美しく魅力的な景色と評される。

過去には幾度か激しい噴火を起こしており、島内および湖周辺の人口密集地域で推定およそ6,000人の死者を出した。

人口密集地に近く、噴火を繰り返していることから、将来的な自然災害を防ぐため、詳細な調査研究を行うに値する防災十年火山 (Decade Volcano) に指定されている。

フィリピンの全ての火山は環太平洋火山帯の一部である。

フィリピン タール火山 タール湖

タール湖

 

 

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